苦戦が続くクラッチロー……「止まらないし曲がらない」2020年型バイクで空回り
LCRホンダのカル・クラッチローはスティリアGPの予選で苦戦し、18番手に沈んだ。彼曰く、2020年型のバイクでは空回りが続いているという。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
LCRホンダのカル・クラッチローは、2020年シーズンで苦戦が続いている。手首を骨折するアクシデントはあったものの、彼の今季ベストリザルトは13位に留まっているのだ。
クラッチローは2020年型のRC213Vについて、減速やコーナリングについて不満を訴えており、新型のタイヤについてもトラクションの不足によって加速が上手く行えていないと言う。
以前よりクラッチローはミシュランの新タイヤが好ましいものではないと語っていた。しかし彼によると、それが主な問題なわけではなく、ホンダがタイヤを機能させられていないことが苦戦の最大の原因だという。
「これまでに走ってきた中で、最も乗れていないかもしれないと感じている。でもそれは、僕が何も試していないという意味じゃない」
クラッチローはそう語った。
「もし90%のライディングを良いマシンでしていたなら、トップ8には入っているだろう。そしてマシンのフィーリングをもっと引き出すことができ、95%のライディングができれば、トップ6には入れるはずだ」
「100%なら表彰台だ。それで僕としては90〜95%のライディングをしていると感じている。目下のパッケージでは、できること以上のモノはできない。僕らは空回りしている」
「もっと自分の形でマシンに乗れれば、良いところを最大限引き出せると思う。でも今のところは不可能なんだ。マシンを止められないことで、適切な方向に曲げることもできない。そのせいでコーナリングを仕上げられないんだ。それから繰り返しになるけど、そうした問題があっても、リヤにグリップがあればタイムを縮めることは可能なんだ」
「それは普通なら僕が得意とすることなんだけど、このマシンは文字通りスロットルを開けられないんだ」
「それがタイヤのせいだとは思ってない。なぜなら他のライダーがこのタイヤから以前以上のグリップを得ているからね。僕らのマシンは何らかの理由でタイヤを機能させられていないんだと思う。でも、その理由がわからない」
苦戦するクラッチローの傍らでは、チームメイトの中上貴晶が1年型落ちのマシンで好調さを示している。今回のスティリアGPでは予選2番手を獲得するなど、上り調子なのだ。
こうした状況にクラッチローは、2019年型のマシンが“より熟成が進んでいる”ことで中上はアドバンテージを得て速さを発揮している、という考えを示した。ただ中上はそうした考えについて「そんなことはないですよ」と否定している。
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