MotoGP バレンシアGP

2020王者ミル、初タイトル目前バニャイヤの内心予想「頭に“悪魔”が湧いて出てるだろうね」

ジョアン・ミルは、今季のタイトル獲得を目前としたフランチェスコ・バニャイヤの状況について、様々な考えが頭を駆け巡っているだろうと“経験者”として語った。

Joan Mir, Team Suzuki MotoGP

 ジョアン・ミル(スズキ)は2022年のタイトル獲得を目前にしたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)の心境について、様々な考えが頭を駆け巡っているだろうと話した。

 今シーズンのタイトル争いは最終戦バレンシアGPまでもつれ込んでおり、バニャイヤがランキング2番手のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)を23ポイントリードしてレースを迎えている。

 圧倒的優位な状況にあるバニャイヤだが、2020年王者のミルは初タイトルを目前にした彼の心境について「”悪魔”が湧き出て来ているだろう」とおもんぱかった。

「ペッコ(バニャイヤの愛称)だけど、今は頭から”悪魔”が大量に湧き出ているだろうね」と、ミルは言う。

「ナーバスになっているというんじゃない。直面している状況について考えを巡らすことがやめられないんだ」

「レースを完走してちょっとポイントを稼げば良い、それがどれだけ簡単なことかなんて考えたりはしない。逆にミスやクラッシュ、他のライダーとのアクシデントなんかがどんなに簡単に起こってしまうかを考えてしまうんだ」

 ただ、ミルは8番手スタートのバニャイヤがタイトルを取りこぼす可能性は低いとも考えている。

「明日のレースはペッコに有利なものになるだろうね」

「というのも同じようなペースのライダーが10人もいるし、差をつけるのは難しいと思うからだ。彼はいい状況にあるよ」

 そう語るミルだが、スズキが今季限りでMotoGPを撤退するため、2019年から同チームに所属してきた彼にとっても重要なレースとなっている。

 予選では12番手となったミルは、決勝でいいスタートを切り、トップ5以上、チャンスがあれば表彰台フィニッシュを目指したいと語った。

「いいスタートを切って5~6番手につけたら、どこまで行けるか様子を見てみよう」

「チャンピオン争いに影響を与えたくはないけど、縮こまるつもりはない。チャンピオンを争っているライダーがいるからといって遠慮すると、結局はふたりとも抜かれることになるからね」

「トップ5でフィニッシュできればと思うし、チャンスがあれば表彰台に乗れるかもしれない。ペースの良いライダーは8人もいるからね」

 そしてミルは「スズキと過ごしたこの期間を、良い形で終えたいね」と締めくくった。

 なおミルは2023年シーズンからレプソル・ホンダへ移籍。マルク・マルケスとチームを組むことになる。

 
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