いざ、7年ぶりの王座へ……2台が自力タイトルの可能性残す日産陣営、オールマイティなZはもてぎも心配なし?|スーパーGT最終戦
スーパーGTのGT500クラスで7年ぶりのタイトルを目指す日産陣営。最終戦の舞台であるモビリティリゾートもてぎはホンダ陣営が得意とするコースだが、日産陣営はZがまずまずのポテンシャルを発揮できるはずだと考えている。
モビリティリゾートもてぎで行なわれる、2022年スーパーGT最終戦。今季のGT500クラスのシリーズタイトル争いは6組のペアに絞られているが、中でも注目なのが、ランキング首位の千代勝正、高星明誠組(3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z)、同2番手の平峰一貴、ベルトラン・バゲット組(12号車カルソニック IMPUL Z)を擁する日産陣営だ。彼らは2015年の松田次生、ロニー・クインタレッリ組以来のタイトル獲得を目指す。
日産陣営は今季、車両をGT-RからZにスイッチ。その成果もあってか今季3勝を挙げ、ランキングでも1-2につけている。ライバルからは「Zはどんなサーキットでも速い」という声が多く聞かれるが、それはやはりGT-Rと比べて空力バランスが向上したからなのか? これについて、日産系のチーム総監督である松村基宏はこう語った。
「(空力とエンジンパワーの)両方が関係していると思いますが、空力のバランスがすごく重要なのは間違いないです」
「2020年に投入されたGT-Rは、先代のGT-Rと違ってフロアがいじれなくなってしまいました。それをカバーするために色々取り組んだことで、少しドラッギー(空気抵抗が大きい状態)になってしまったということです」
「それを新しいクルマ(Z)の外観を活かして修正したところ、それなりの速さが出ました。Zは“顔”が小顔だから、その分フリックボックスをうまく活かせたりしたということだと思います」
#23 MOTUL AUTECH Z
Photo by: Masahide Kamio
「性能そのものの高さは前段階から分かっていましたが、全てのコースを走ってみないとそれぞれの適性が分からない部分もありました。それをひとつひとつのレースで確認していった結果、鈴鹿のレースが終わった時点で、(直線成分の多いサーキットとコーナー成分の多いサーキットの)どちらも適応できるクルマの特性だと分かりました」
今季は23号車と3号車が共に、ニスモ事業を展開する日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社のメンテナンスになったことで実質的なニスモの2台体制となったり、共有のサポートチームを設けて全4台をバックアップしたりと、体制強化を強化を図ってきた日産陣営。「レースではピットのタイミングがうまくいかなかったり、ほんの少しの差で優勝を逃したケースもありましたが、タイムの面では各チーム安心して見ていられます」と松村総監督もその戦闘力に自信をのぞかせる。
最終戦に向けては3号車の千代/高星組、12号車の平峰/バゲット組の他に、ランキング3番手の塚越広大/松下信治組(17号車Astemo NSX-GT)もトップと4点差につけており、自力タイトルの可能性を残している。しかももてぎはホンダが得意とするサーキットであり、彼らには追い風が吹いていると語る。
松村総監督も17号車は警戒する必要があるとしたが、GT-R時代は苦戦気味だったもてぎでも他メーカーと拮抗したパフォーマンスを出せていると語った。
「これまでテストをした中では、(ライバルメーカーと)ほとんど同じ性能です。GT-Rでは少し苦戦気味だったのが、速くなっています」
「GT-R時代の去年のもてぎでも、(12号車が)ガス欠するまで優勝寸前まで来ていたので、それほど悪くはないと思います」
オールマイティなZと、もてぎを得意とするNSX。勝利の女神はどちらに微笑むか? それともわずかながら逆転の可能性を残すスープラ陣営がミラクルを起こすか? 注目の予選は11月5日(土)14時20分から、決勝は6日(日)13時からスタートする。
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