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アストンマーチン、一度は頓挫したヴァルキリーのLMH計画”復活”か? ル・マン復帰にオーナーが興味

アストンマーチンは、ヴァルキリーのLMHプログラムを復活させ、将来のWEC参戦を目指しているようだ。

Aston Martin Valkyrie AMR Pro

写真:: Aston Martin

 2020年にアストンマーチンを買収し、オーナーとなったローレンス・ストロールは、将来的にル・マン24時間レースにファクトリー体制で復帰する意向を明らかにした。

 2月10日に2022年のF1を戦う新車『AMR22』を発表した際、ストロールはアストンマーチンはル・マン24時間レースに戻るための”話し合い中”であり、「我々が伝えようとしているメッセージに合致したカテゴリーであれば、どのカテゴリーでも」復帰すると語った。

 ストロールはさらに、シルバーストンに建設中の新しいF1ファクトリー内に設置されるアストンマーチン・パフォーマンス・テクノロジーズ部門が、ヴァルキリーを含むミッドエンジン・スーパーカーに関与するようになると明言した。

 ヴァルキリーは、レッドブルとの共同開発で生まれたスーパーカーであり、レッドブル・レーシングのテクニカルディレクターであるエイドリアン・ニューウェイが開発を手がけている。

 そもそも、2019年にハイパーカー(LMH)規定の詳細が発表された際、アストンマーチンはヴァルキリーをベースにしたマシンでFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦する予定だった。しかし、2020年2月になって「立場を再検討する」として参戦を取りやめた。ストロールがアストンマーチンを買収したのはその直前、1月末のことだった。

 その後、レーシングポイントのチーム名称を変える形でF1に参戦したアストンマーチンだが、F1では2021年から予算制限が導入された。これによって浮いたF1組織内のリソースを、パフォーマンス部門で活用することをアストンマーチンは考えているようだ。

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Aston Martin Valkyrie AMR Pro

Photo by: Motor1

 アストンマーチンはすでに、AMR Proと名付けられたヴァルキリーのサーキット専用バージョンを発表している。標準のヴァルキリーよりも全長が長く幅広で、計画されていたLMH車両と同じ非ハイブリッド仕様であるこのクルマは、レーシングカーとしての出自を大いにアピールしていた。

 昨年、AMR Proの発表の際、アストンマーチンは次のように述べている。

「2019年、レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズ(RBAT)やエイドリアン・ニューウェイ、エンジニアリングパートナーのマルチマチックとアストンマーチンは、新しいハイパーカー・クラスでのル・マン24時間レース勝利を目指し、アストンマーチン・ヴァルキリーのレースカーデザインに集中的に取り組んだ」

「その高度な設計が今回、急進的な新型ヴァルキリーAMR Proの基礎となった」

 アストンマーチンの当初の計画では、ヴァルキリーLMHの開発費をカスタマーへの車両販売で賄う予定だった。ただ、ヴァルキリーのLMHプログラム復活の可能性がある場合、どのように資金を調達するのかは不明である。

 実際、2020年1月にLMDh規定が発表され、次世代LMP2ベースのマシンでWECに参戦する安価なルートが生まれたことで、アストンマーチンのビジネスモデルは頓挫している。

 そしてこの1年半の間に、アストンマーチンは少なくともふたつのグループと、ヴァルキリープログラムの資金調達に関して話し合いを持ったことが明らかになっている。ストロールがこのルートを追求するのか、それとも内部で資金を調達するのかは分からない。

 アストンマーチンは、ストロールのコメントについて詳しく説明しておらず、2011年のAMR-One LMP1以来となる、ル・マン24時間レースへの復帰時期について示唆していない。

 広報担当者は、「スポーツカーレースはアストンマーチンのDNAの一部であり、もちろん我々は最高レベルの耐久モータースポーツに参戦したいという願望を持っている」と述べた。

「また、アストンマーチン・レーシングは、世界中でヴァンテージGTプログラムによってお客様をサポートしている」

 
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