WEC、2021年カレンダーを改訂。ポルティマオが6月に延期、開幕戦は5月のスパに
FIA世界耐久選手権は、2021年シーズンの開催カレンダーを改訂。開幕戦として予定されていたポルティマオ8時間が6月に延期されたため、5月1日のスパ6時間が第1戦として行なわれることとなった。
世界耐久選手権(WEC)は3月5日、2021年シーズンの改訂版カレンダーを発表。開幕戦は5月1日のスパ6時間レースに変更されることが明らかとなった。
先日、ル・マン24時間レースが6月中旬から8月中旬に延期されることがACO(フランス西部自動車クラブ)によって発表された。これを受けてWECは、4月4日に開幕戦として行なう予定だったポルティマオ8時間を、当初ル・マン24時間を開催予定だった6月第2週に移動させることに決定した。
これにより、5月1日開催予定のスパ6時間が自動的に開幕戦に繰り上がる形となった。開幕前の公式テスト“プロローグ”は、4月26日〜27日にかけてスパで実施される。
この改訂版カレンダーは3月5日にFIA世界モータースポーツ評議会によって可決されたが、この改訂はWECの声明によると「新型コロナウイルスのパンデミックによる渡航制限を含めた不確実性」によるものだという。
またWECはポルティマオ戦の日程を後ろにずらすことで、ファンがレースに参加できる可能性が高まることを望んでいるようだ。ただしスパ戦に関しては、無観客で実施する方向で調整されている。
ACOのピエール・フィヨン会長は次のように語った。
「現在もパンデミックが続いているため、我々は意思決定において非常に柔軟である必要がある」
「我々はこれからも政府の決定、特に国から国への渡航制限に適応していく」
「WECの競技者との話し合いの結果、我々はシーズンの開始を遅らせるほかないと判断した」
フィヨンはまた、WECが世界選手権としてのステータスを保ち続けるために最低限求められる“6ラウンドの開催”は最優先で維持するべきことだったと付け加えた。
WECの新CEOであるフレデリック・ルキアンは、現在も世界的に困難な状況が続いている中で、WEC参戦チームとサプライヤー、FIA、そしてアルガルヴェ(ポルティマオ)やスパといった開催サーキットが協力してくれたことに感謝していると語っている。
WECの2021年カレンダーが変更されるのはこれで3回目だ。当初開幕戦として予定されていた3月19日のセブリング戦は1月末に中止が決定。ポルティマオ近郊にあるアルガルヴェ・サーキットに開幕戦の舞台が移ったが、これも変更されることになった。
前述の通り現在WECは、新型コロナウイルスのパンデミックが続いている中でも、観客を入れてレースを開催することを目指している。ル・マン、ポルティマオの開催延期はレースを有観客にするための動きでもある。昨年のル・マンは5万人のファンを収容して閉鎖環境の“バブル”を形成する計画が頓挫したため、無観客で開催された。
当初のカレンダーではWECポルティマオとスーパーフォーミュラ開幕戦の日程がバッティングしていたが、ポルティマオ戦の延期でこれは解消されることになった。スーパーフォーミュラにはトヨタのWECドライバーである中嶋一貴、小林可夢偉も参戦予定であるため、その動向も気になるところだ。なお、延期後のポルティマオ戦の日程はスーパーフォーミュラ第2戦の1週間後となっており、検疫期間の設定によっては、中嶋や小林はどちらのレースに参戦するのか、それを選択しなければならなくなる可能性もある。
WEC2021シーズン改訂版カレンダー
Be part of Motorsport community
Join the conversation記事をシェアもしくは保存
Top Comments
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。