「ダカールラリーを台無しにしてくれてありがとう」トヨタのアル-アティヤ、宿敵アウディへの最大出力アップ許可に激怒
トヨタのナッサー・アル-アティヤは、ダカールラリー主催者がステージ5を前に性能調整によってアウディの出力を上げたことに怒りをあらわにし、ソーシャルメディアで「早い段階でレースを台無しにしてくれてありがとう」と非難した。
写真:: Red Bull Content Pool
FIA世界ラリーレイド選手権(W2RC)委員会は、ダカールラリー2023年のステージ5に先立ち、ハイブリッド車または電気自動車であるT1.U車両に性能調整を実施した。これによりアウディ『RS Q e-tron E2』は、8kW(11PS)の出力アップを得られることとなった。
しかし、ガソリンエンジン搭載のT1+車両である『ハイラックス T1+』でアウディと総合優勝を争うToyota Gazoo Racingのナッサー・アル-アティヤは、この性能調整によってレースが台無しになると憤りを見せている。
W2RCの声明にはこうある。
「ダカールラリー2023の最初の3ステージでT1.UとT1+カテゴリーからエントリーした車両のデータ分析を受けて、W2RCはクロスカントリー・ラリー競技規則のV1章第13.3条に基づき、T1.U車両の最大出力を増加することを決定した」
アウディから参戦しているカルロス・サインツSr.は、2023年大会前にハイブリッド車または電気自動車に100kgの重量ペナルティが科されることに不満を抱いていたが、今回のW2RCの決定は歓迎しており「この措置は嬉しい」と語っている。
サインツSr.はmotorsport.comを含むメディア陣の取材に応じ、次のように述べた。
「彼らはデータを測定し、見ることができる。そしてアウディは(優位に走っていたと)言うほど速く走っていなかったということが分かった。それは歓迎すべきことだ」
「彼らは、あるマシンと別のマシンがどう加速するかを測定するためのデータをすべて持っている。そしてもし彼らが我々に8kW、つまり11馬力を与えるということならば、我々の不足分を彼らは見ることになる」
「僕は常々、ライバルより多くのパワーを手にしたいのではなく、マシンのパワーと重量を同等にしたいと言ってきたんだ」
一方で、ライバルのアル-アティヤはW2RCの措置に激怒。自身のソーシャルメディアを通して委員会の介入を非難している。
彼はInstagramにW2RCの公式通知の写真と共に、次のように投稿した。
「メインライバルに11馬力も多く与えるとは、なんというサプライズだ!!」
「レースを早い段階で殺してくれてありがとう」
アル-アティヤはそう怒りをあらわにしているものの、ステージ4が行なわれたダカールラリー2023の4日目を終えた時点で総合首位。総合2番手で同じくトヨタ勢となるヤジード・アル-ラジ(オーバードライブ)に18分18秒のリードを保っている。
アウディ勢はステファン・ペテランセルがアル-アティヤから18分52秒遅れで総合3番手。サインツSr.はステージ3でトラブルが続き総合首位から転落し、ステージ4を終えた時点でアル-アティヤから32分55秒遅れの総合4番手となっている。
なお、アル-アティアはその後当該の投稿を編集。コメント部分を削除している。
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