F1での政治的発言締め付けに「ドライバーはみんな懸念している」とウイリアムズのアルボン。FIAとのオープンな対話求める

ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、FIAが競技開催中に政治的・宗教的・個人的発言を行なうことを禁じたことについて、F1ドライバーはひとつのアイコンとして問題に声を上げる”責任”があると考え、今回の締め付けに「みんなが懸念を抱いている」と語った。

Alex Albon, Williams

Alex Albon, Williams

Williams

 FIAは2022年12月に国際モータースポーツ競技規則を更新し、FIAの全選手権において事前の許可なく「政治的、宗教的、個人的」な発言を禁止するとした。

 これに対しウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、F1ドライバーは世界から注目を集める存在として社会的問題に対して発言する”責任”があると考えており、今回のFIAの決定に「みんなが懸念を抱いている」と語った。

 近年、ルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテルなど多くのドライバーがグランプリ開催中に、BLMや環境問題など重要視される社会問題について行動を取ってきた。F1も2020年に、新型コロナウイルス根絶のための団結や様々な差別の根絶を目指し、独自のキャンペーン「We Race As One」を立ち上げ、ドライバーたちからも支持を得た。

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 今回のFIAの決定は既に実施されているプロセスを正式なモノにしたに過ぎないという指摘もあったが、サッカーのカタール・ワールドカップを前にFIFAが行なった同様の締め付けと比較され、多くの批判を招くこととなった。

 アルボンは最初の指針が「やや分かりにくい」として、「状況を明らかにする」必要があると語っている。

「僕らはWe Race As Oneなどといった状況に大賛成だったけど、FIAはそこから離れようとしているみたいだ」

 アルボンは2月6日(月)に行なわれたウイリアムズの2023年マシンカラーリング発表会でmotorsport.comにそう語った。

「僕らは状況を見る必要がある。彼らがやろうとしていることについて、僕らがオープンな対話をする必要があるのは明らかだ。もちろん、ある程度自由に話せるようにする必要がある」

「彼らが何を言おうとしているのか、後々明らかになると思うよ」

Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1, and Valtteri Bottas, Mercedes-AMG F1, on the grid

Lewis Hamilton, Mercedes-AMG F1, and Valtteri Bottas, Mercedes-AMG F1, on the grid

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は1月、FIAの選手権は「個人的な意図のためのプラットフォーム」であってはならないと語り、今回の決定を弁明。ただ、「全ドライバーを黙らせる」ことはないとしている。

 しかしアルボンは、F1ドライバーはファンやメディアを通して大きな知名度を持ち、「多くの人が僕らに会いに来て、世界中の問題の代弁者として僕らを見ている」との考えを語った。

「問題をみんなに知ってもらうことは、ドライバーの責任だと思う」とアルボンは言う。

「(発言を禁じられることは)獣みたいな扱いだ。ドライバーとしては、彼らが何を伝えたいのかを理解するのは難しい。でもどうなるか見てみよう」

 またアルボンは「この状況についてグリッドではあまり話ができていない」としながらも、F1ドライバーの「みんなが懸念を抱いている」と語った。

「F1とFIAの間で、全てを同じコミュニケーションの形にまとめようとしていることは、僕も知っているし、みんなもしていると思う」

「今のところ、少し混乱している。これについて言えるのはそれだけだ」

 
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