レッドブル、空力試験10%削減の罰則は「過酷」と表現も、メルセデスは反論「それは誇張だと思う」
メルセデスは、昨年のF1予算上限を超過したとして罰則を科されたレッドブルが、空力試験の制限時間を10%削減されるのを「過酷」と表現していることについて、「それは誇張だ」と考えている。
写真:: FIA Pool
レッドブルは、2021年の予算制限を180万ポンド(約3億円)超過したとして、700万ドル(約10億円)の罰金と今後12ヵ月の空力試験(風洞およびCFD)制限値の10%削減という罰則を受けることになった。
この罰則は、レッドブルがABA(違反容認合意/Accepted Breach Agreement)を受け入れることで確定したものであるが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、特に空力試験の制限値削減は、2023年と2024年のマシン開発に大きな影響を及ぼすことになるため「過酷なもの」だと表現した。
しかしメルセデスのトラックサイド・エンジニアリング・ディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、ホーナー代表が「過酷」だと表現するのは「誇張」だと語る。
今季のコンストラクターズチャンピオンとなったレッドブルは、今回の罰則により、来季実施できる空力試験が、ランキング7位のチームの63%までに制限されることになる。チャンピオンチームは本来、ランキング7位のチームの70%しか、空力試験を行なうことができないと規定されているが、これが10%削減されるため、63%となるのだ。一方ランキング2位と3位のチームはそれぞれ、75%、80%と規定されており、レッドブルよりもかなり多くの時間を空力試験に充てることができることになる。
ホーナー代表は、空力試験がこのように削減されることでパフォーマンス面で0.25〜0.5秒の影響を受ける可能性があると主張している。しかしメルセデスのショブリン曰く、ペナルティの規模は「チャンピオンシップでひとつ順位を上げた場合に失うモノよりもはるかに少ない」と語った。
「ポジションがふたつ上がれば、ペナルティはそれほど大きなものではない」
メキシコGPの土曜会見に登場したショブリンはそう語った。
「だから、それを過酷と表現するのは誇張だと思う」
「試験の実行回数を減らすと、コンセプトを開発する際の自由度が制限される。しかし我々は現在、よく考えられたレギュレーションの中にいる。だから間違いなく、より効率的にならなければいけない」
ショブリンは、空力試験の10%削減が、0.5秒の影響を及ぼすならば、「グリッド後方のチームは、最前線にいるチームよりも3秒のアドバンテージを持つことになるが、実際にはそうなってはいない」とも語っている。今季ランキング最下位となったチームは、7位のチームの115%空力試験を行なうことが許される。つまり、レッドブルより52%も多く空力試験を行なうことができるというわけだ。
「それは、1年を通じてどれだけうまく意思決定を行なうかということにかかっている」
そうショブリンは言う。
「おそらく10%か、最大でも20%程度だと考えていたはずだ。そして現実的には、それで何が犠牲になるかということだ」
空力試験の10%削減というペナルティを受けることによって、風洞実験が何回少なくなるのか? それについて尋ねられたショブリンは「おそらく4回か5回の差に過ぎないだろう」と語った。
「正確な数は分からない。計算していないからね」
そうショブリンは言う。
「影響が及ぶのは、間違ったコンセプトを選択して、後戻りする必要がある場合のみだ。それにより、様々な道を模索する自由を奪うことになるからね」
なおメルセデス以外のチームも、レッドブルへの罰則は軽すぎると感じている旨を語っている。
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