F1メカ解説|伝統のモナコでメルセデスのマシンが一変!:F1モナコGPピットレーン直送便
伝統のモンテカルロ市街地コースで開催されるF1モナコGP。各チームがハイダウンフォース仕様のパッケージを持ち込んでいる他、メルセデスは大幅なアップデートを実施している。
写真:: Uncredited
Mercedes W14 technical detail
Photo by: Giorgio Piola
メルセデスはモナコGPでマシンに大きな変更を加えた。見た目にもわかりやすいのは、サイドポンツーンのコンセプト変更だ。
メルセデスは2022年のW13から、”ゼロポッド”とも称されるほどスリムなサイドポンツーンを採用していた。2023年のW14も、そのコンセプトを引き続き追求していた。
しかし今回のモナコGPから、よりコンベンショナルなスタイルのサイドポンツーンに変更。アルファタウリAT04に近い、ダウンウォッシュ型のサイドポンツーンに変貌している。
Mercedes W14 technical detail
Photo by: Giorgio Piola
サイドポンツーンの開口部は、よりオーソドックスなフープ形状になっているが、SIS(側面衝撃吸収構造)を覆うウイング状のフェアリングは健在。サイドポンツーン上面と開口部を分けるように気流のコントロールに使われており、開口部の上辺が前方に延長されているような形となっている。
Mercedes W14 front suspension comparison
Photo by: Uncredited
W14の変更点はサイドポンツーンだけではない。特にフロントサスペンション(右が新型)はジオメトリが変更されており、アッパーウィッシュボーンの前のアーム(赤矢印)がより高い位置に配置されているのが分かるだろう。これにより、サスペンション自体の下反角は大きくなっている。
Haas VF-23 front wing detail
Photo by: Giorgio Piola
こちらはハースVF-23のフロントウイング。フェラーリが使用しているモノに近い、スロットギャップセパレーターが追加されている。ウイング外側に向けて、気流を導くような形状となっている。
McLaren MCL60 front brake detail
Photo by: Giorgio Piola
マクラーレンMCL60のフロントブレーキキャリパーをクローズアップすると、放熱用のフィンがついているのが分かる。これによって、温度をよりうまくマネジメントしようとしている。
Red Bull Racing RB19 technical detail
Photo by: Uncredited
レッドブルRB19のエンジンカバーが外され、パワーユニットが露わになっている。サイドポンツーン内のラジエーターが傾斜してマウントされていることや、パワーユニット上部のサドルクーラー、これらを包むようなフェアリングなど、今季最速マシンの内部構造がよく分かる1枚だ。
Red Bull Racing RB19 technical detail
Photo by: Uncredited
モナコGPにレッドブルが持ち込んだ、ハイダウンフォース仕様のリヤウイング。その大きさだけでなく、反り立つようなそのアングルにも注目だ。また、フラップの中央上部にあるV字型の切り欠きにより、空気抵抗を減らす工夫もされている。
Red Bull Racing RB19 technical detail
Photo by: Uncredited
こちらはDRSが開いた状態。アッパーフラップの湾曲具合がよく分かる1枚だ。また、エキゾーストパイプ横のビームウイングもかなり立っているようだ。
Ferrari SF-23 technical detail
Photo by: Uncredited
フェラーリSF-23のフロントブレーキ・アッセンブリ。ブレーキキャリパーを囲むフェアリングの様子がよく分かる。
Mercedes W14 technical detail
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メルセデスの新しいフロントサスペンションを別アングルから。サスペンションの内部構造が垣間見える。
Alpine A523 technical detail
Photo by: Uncredited
アルピーヌA523のフロントブレーキをクローズアップ。キャリパーは3時の位置に配置されており、熱を逃がすためにティアドロップ型の穴が空けられている。
またそれぞれのセクションには小さなプローブが設けられており、チームはこれをデータ収集に活用している。
Mercedes W14 technical detail
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メルセデスのサイドポンツーンカウル。マシン後方に向かって、どれだけ傾いているかがよく分かるアングルだ。
McLaren MCL60 technical detail
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マクラーレンMCL60のリヤウイング。こちらも巨大で、できるだけ多くのダウンフォースを稼ごうとしてる。
Alfa Romeo C43 technical detail
Photo by: Uncredited
アルファロメオC43のフロントサスペンションを整備するメカニック。ヒーブダンパーに様々なサイズのベルビルスプリング(皿ばね)を使用していることに注目(メカニックの右手横)。
McLaren MCL60 technical detail
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マクラーレンMCL60のフロントウイングをクローズアップ。アウトボード部分、エンドプレートと接する部分が、タイヤ前方への気流を外に逃がすように配置されているのがわかる。
AlphaTauri AT04 technical detail
Photo by: Uncredited
アルファタウリAT04のバックミラーは、マイアミGPでアップデートされた。上部だけでなく、ミラーの下にウイングレットを備えていることが特徴だ。
AlphaTauri AT04 technical detail
Photo by: Uncredited
AT04のフロアを正面から見ると、フロアの前面部分に微妙な高低差があり、フロアウィングが上向きになっているのも特徴的。実に複雑な処理がなされていることがうかがえる。
AlphaTauri AT04 technical detail
Photo by: Uncredited
この写真はAT04のフロアを後方から写したもの。表面の微妙な凹凸や、アウターフロアストレーキの処理がよく分かる。
Williams FW45 technical detail
Photo by: Uncredited
ウィリアムズFW45のフロントブレーキキャリパーは、レッドブルRB19やアストンマーチンAMR23などにも採用されているチューブ状の冷却フィンを備えているが、排熱ポートの周囲にも数列の水平フィンがある。
Williams FW45 technical detail
Photo by: Uncredited
ウイリアムズは今季、フリー走行で様々な設定のウイングを試している。モナコでもそうした手法で適切なセットアップを模索することになりそうだ。フラップ上部のピボット部分に空力的な悪影響の少ない膨らみが設けられているのも特徴的だ。
Ferrari SF-23 technical detail
Photo by: Uncredited
フェラーリSF-23のフロントウイングを撮影したアングル。フィンのように大きくなったスロットギャップセパレーターだけでなく、フラップがエンドプレートに接する部分の形状もアウトウォッシュを生み出すために工夫されていることがわかる。
Red Bull Racing RB19 technical detail
Photo by: Uncredited
レッドブルRB19の下部を覗くと、シャシーの中に配線やパイプの通路が確保されており、コックピット下にも様々な部品が搭載されている。
Alfa Romeo C43 technical detail
Photo by: Uncredited
こちらはモナコ独特の光景かもしれない。モナコはガレージが狭く、パーツや機材をロフトから下のガレージに移動させなければならないことが多い。フロアのような大型パーツの移動は一苦労だ。
Alfa Romeo C43 technical detail
Photo by: Uncredited
アルファロメオC43のステアリングホイールには、シャシーとパワーユニットのパラメーターをコントロールするためのボタンやロータリー、スイッチ類が配置されている。モナコは、このステアリングを持ち替えが必要なほど大きく切るコースでお馴染みだ。
Aston Martin AMR23 technical detail
Photo by: Uncredited
こちらはホンダとのタッグが発表され、話題となっているアストンマーチン。こちらもハイダウンフォース仕様のリヤウイングとビームウイングを搭載。レッドブルのように、V字の切り欠きが入っている。
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