ウイリアムズのマネージングディレクターに元マクラーレンCOOが就任。技術部門も統括

　ウイリアムズF1チームは6月1日から、新たにサイモン・ロバーツをマネージングディレクターとして迎える。

　ロバーツは今後、チームの技術面、レース及びファクトリーの運用などを監督する。さらにマシンの設計や開発プロセスにおいても全体的な責任を負う。

　彼はF1で約20年の経験があり、その大半をマクラーレンで過ごしたきた。彼は2003年に同チームのオペレーションディレクター兼ゼネラルマネージャーに就任した。

　そして2009年の1シーズンはフォースインディア（現レーシングポイント）のチーフ・オペレーション・オフィサー（COO）として働いた後、2010年には再びマクラーレンに戻り、2017年にCOOに昇進。2019年の序盤にチームを離脱していた。

　ウイリアムズのチーム副代表であるクレア・ウイリアムズは次のように語った。

「サイモンはウイリアムズチームに膨大な知識と経験をもたらしてくれるでしょう。この長期間に渡るシャットダウンが終わった後、彼がチームに加わってくれることを嬉しく思います」

「彼はまた、ウイリアムズの次世代F1マシンを設計・開発する才能溢れるチームを引っ張っていってくれるでしょう」

　ウイリアムズは技術責任者のパディ・ロウが昨年6月に辞任して以降、首脳陣がほとんど変わっていなかったが、ロバーツの就任により体制の強化が期待される。

　ロウはウイリアムズの2019年マシンであるFW42の開発が遅れ、マシン自体の競争力も低いことが判明した後、休職状態となった後に辞任した。しかしチームは2019年シーズンの途中でロウの後任を雇うことはせず、チーフデザイナーのダグ・マッキーナン、デザイン責任者のアダム・カーター、そして車両パフォーマンス責任者のデイブ・ロブソンにその役割を分担させていた。

　新型コロナウイルスの影響でシーズンが始まっていないF1だが、今季のウイリアムズは昨年と違い、順調なスケジュールでシェイクダウンを完了し、プレシーズンテストでも多くの走行距離を稼いだ。さらにパフォーマンスレベルも向上しており、ドライバーのジョージ・ラッセルもそれを実感している。今季の目標は激しい中団争いに加わることだと言えそうだ。