ジュニアドライバーの登竜門、マカオGPのFIA F3・GTワールドカップは2021年も開催中止が決定
マカオで例年開催されるマカオGPのFIA F3ワールドカップとFIA GTワールドカップは、新型コロナウイルスによる渡航規制を理由に昨年に続き2年連続で開催中止となった。
写真:: Joe Portlock / Motorsport Images
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う厳しい渡航規制により、FIA F3ワールドカップとFIA GTワールドカップは昨年に続き今年も開催が中止された。
“東洋のモナコ”とも呼ばれるマカオのギア・市街地サーキット(全長6.1km)で開催されるマカオGPには、F1を目指し世界中のF3シリーズでしのぎを削るドライバーから、GT3マシンを参戦させる自動車メーカーまで様々なモータースポーツ関係者が集まり、毎年大きな関心を集めている。
マカオ湾側の高速セクションと旧市街を駆け上がるテクニカルセクションに大きく分かれるギア・サーキットの攻略は難しく、F1を志すジュニアドライバーの登竜門としてF3ワールドカップは位置づけられることも多い。
F3ワールドカップでは、過去にアイルトン・セナやミハエル・シューマッハー、日本からは佐藤琢磨がマカオを制し上位カテゴリーへ歩みを進めている。現在、アルファタウリ・ホンダからF1へ参戦する角田裕毅も2019年に参戦している。
FIA GTワールドカップの他、世界ツーリングカーカップ(WTCR)の最終戦も伝統としてモナコで開催されてきた。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により入国後21日間の隔離が義務付けられているため、昨年はFIA F3とGTのワールドカップが中止。マカオGPでは代わりに地元のF4ドライバーによるレースが開催され、参戦台数は減少したもののGT4マシンによるGTカップも開催された。
今年のマカオGPは、渡航規制が解除される11月17日から21日にかけて開催される予定だった。しかし、木曜日に発表されたFIAの声明によると、マカオ政府が当面の間隔離要件を調整しないため、FIA F3ワールドカップとFIA GTワールドカップは中止せざるを得ないという。
FIAの声明にはこうある。
「FIAのイベントへ参加するエントラントの多くが地域外から来ているため、ドライバーやチーム、サプライヤーにとっては、(隔離措置を)守ることが難しい状況にある」
「そのため、FIA F3ワールドカップとFIA GTワールドカップを2021年は開催せず、来年の開催を目指すことにする」
#888 Mercedes-AMG Team GruppeM Racing Mercedes AMG GT3: Maro Engel
Photo by: Alexander Trienitz
FIAの競技事務総長を務めるピーター・バイエルは次のように述べている。
「長きに渡り、マカオGPはモータースポーツ界の多くの人々にとってシーズンを締めくくる伝統であった。FIAとしても、同じイベント内で3つの異なるFIAワールドカップが開催される唯一のイベントとして、重要な意味をもっている」
「そこで開催できないことを残念に思うが、11月に開催されるマカオGPと主催者の安全と成功を願うと共に、2022年の開催に向けて活動をすぐにでも移したいと思う」
WTCRの最終戦はマカオに代わり、F1ロシアGPの開催地ソチで開かれることになった。
なお、マカオGPでのイベント詳細についてはマカオ・中国自動車総協会(AAMC)から後日公表される予定だ。
2015年にGTワールドカップが初開催されて以降、FIAやマカオの現地組織委員会とレースへのエントラント管理を請け負ってきたSROステファン・ラテル・グループのベンジャミン・フラナソヴィッチは、GTワールドカップへのエントリー台数は既に27台へ達していたと明らかにした。
「このイベントには大きな熱意が集まり、既に過去最高のエントリー台数を記録していた」
「その数は27台に上り、更に2から3台は増えるはずだった」
「地元のアジアチームとヨーロッパから来た国際チームが混在していて、良い広がりを見せていた」
ポルシェやアウディ、BMWなどの自動車メーカーが既に参加していたとフラナソヴィッチは語り、他にもメルセデスやアストンマーチン、フェラーリ、ホンダなどが暫定的にエントリーしていたという。
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