ル・マン24時間:16時間経過し、トヨタはワンツー体制をキープ。現地は日の出を迎え残り8時間に突入
2021年のル・マン24時間レースはスタートから16時間が経過し、サルト・サーキットに朝日が登った。この時点で総合トップはトヨタの7号車。僚友8号車も2番手につけている。
写真:: Nick Dungan / Motorsport Images
2021年のル・マン24時間レースがフランスはサルト・サーキットで開催されている。スタートから16時間が経過し夜明けを迎えた時点で、TOYOTA GAZOO Racingの7号車が依然としてトップを守っている。
雨が降りしきる中、セーフティカー先導でスタートした今年のル・マン24時間レース序盤は、落ち着かないレース展開となった。
レース開始から3時間が経過した頃には、アストンマーチンの98号車ノースウェストAMRがインディアナポリス手前でクラッシュ。コースにはセーフティカーが出され、98号車はグラベルで減速できずにタイヤバリアへ刺さったが、ドライバーは自力でマシンを降りることができた。
ル・マンが牙を剥くナイトセッションでは止んだ雨がまた降り出し、スピンやクラッシュ、トラブルに泣くチームも続出した。特に熾烈なLMP2クラスでは、ユナイテッド・オートスポーツ2台が同士討ち。また、クラッシュした1号車リシャール・ミル・レーシングに74号車レーシング・チーム・インディア・ユーラシアがTボーン。これにより2度目のセーフティカー出動となった。
レース折り返しを過ぎ12時間半を経過したところで、小林可夢偉が駆る7号車がインディアナポリスでコースオフ。夜明け前に路面温度と気温が大きく落ち込んだことで、カーボンブレーキが冷えたことで、制動距離が延びていたようだ。幸い、マシンはウォールと接触せずにコースへ復帰することができた。築き上げたリードを失ったものの、依然として首位を維持した。
13時間経過を前に、息子ケビン・マグヌッセンと共に参戦するヤン・マグヌッセンが乗る49号車ハイクラス・レーシングがスリップについた26号車G-ドライブ・レーシングに追突されストップ。再発進した後も、姿勢を乱し左フロントからウォールに接触した。僚友20号車はスタート前にメカニックがジャッキをマシンに差したままグリッドを離れるなど、チームとしては慌ただしいル・マンとなっている。
13時間を過ぎた頃には、71号車インセプション・レーシングが左フロントタイヤをしっかり装着できていないままピットアウト。その後も82号車リシ・コンペティツィオーネや20号車にもトラブルが発生した。
レース展開はそこから落ち着きを見せ、ナイトセッションを抜けレース開始から15時間が経過。ル・マンは日の出を迎えた。天候は曇りで、サーキットでは朝靄がかかる所も見受けられた。
16時間を超えた時点でのLMHクラスは、トヨタがワンツー体制をキープ。スタートで708号車グリッケンハウスに追突され、そこから追い上げた8号車と、序盤で2度パンクした7号車のピットタイミングはズレがあるものの、マイク・コンウェイがドライブする首位7号車と中嶋一貴がドライブする2番手の8号車は、同一周回で35秒程のギャップとなっている。
序盤にスピンを喫し後退していた36号車アルピーヌは、トップから5周遅れの3番手となっている。
LMP2クラスは、チームWRTがワンツー体制。31号車が首位、元F1ドライバーのロバート・クビサが参加する僚友41号車が2番手につけている。
GTE Proクラスの首位を走るのは51号車AFコルセ。GTE AmクラスもAFコルセの83号車がトップに立っている。星野敏と藤井誠暢が乗るAmクラスの777号車D'station Racingはクラス7番手、総合35番手。木村武史が参戦する57号車ケッセル・レーシングは、9時間経過した頃に発生したトラブルでエンジンにダメージを負い、マシンを止めることとなった。
“革新的なマシン”という名の特別枠として、身体に障害を持つドライバーで参戦する84号車アソシエーションSRT41に乗る青木拓磨は序盤でスピン。14時間を経過した時点で青木は再びスピンを喫したものの、マシンへのダメージはなくコースへ復帰し総合36番手を走っている。
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