グリッケンハウス、来季のWECには2台体制で参戦へ。LMHマシンの準備は順調か
スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスは、来シーズンのWEC(世界耐久選手権)ならびに2021年のル・マン24時間レースに、2台のハイパーカーを投入する意向を発表した。


WEC(世界耐久選手権)は2021年開幕予定の来シーズンから、新たな最高峰クラス『LMH(ル・マン・ハイパーカー)』を導入する。LMHに参戦する意向を既に表明しているスクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスは、2台のハイパーカーを持ち込む準備ができているようだ。
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グリッケンハウスは声明の中で次のように発表した。
「我々は2017年に立ち上がり、その後新たなハイパーカークラスに参戦すると宣言した。その目標を達成するために急ピッチで動いている」
「シャシーの開発は完了しており、他のコンポーネントの開発もまた終了している」
SCG 007と呼ばれるグリッケンハウスのシャシーは、イタリアの企業であるポディウム・アドバンスド・テクノロジーズによって開発された。エンジンに関しては、主にラリーなどで活躍しているフランスのエンジン製造業者ピポ・モチュールの自然吸気V8エンジンを使用する。
声明にはさらにこう記されている。
「我々は世界でもトップクラスの風洞で、最初の物理テストを終えた。既にいくつかの開発目標を達成しており、学んだことを活かしながらさらなる目標に取り組んでいく」
「来月にはピポ・エンジンの動力テストを始める予定で、年末までには007のテストをする予定だ」
ル・マン24時間レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)も、2021年から参戦するグリッケンハウスを歓迎している。会長のピエール・フィヨンは次のようにコメントした。
「この(グリッケンハウスの)素晴らしい発表は、新たな最高峰クラスの魅力を示している。このマシンを作り上げたグリッケンハウスの素晴らしい仕事ぶりを強調しておくべきだ」
「また、耐久レースの将来に向けた我々の計画を信頼し、規則に従ってくれているグリッケンハウスをはじめとした全てのマニュファクチャラーに感謝したい」
現状、LMHクラスに参戦する意向を示しているマニュファクチャラーはトヨタ、グリッケンハウス、バイコレスとなっている。プジョーは2022年からWECに復帰する計画を立てているが、その参戦マシンがLMHマシンなのか、IMSAとの共通規則として導入されるLMP2ベースのマシン『LMDh』なのかは明らかになっていない。
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