9年ぶりの勝利、中嶋悟総監督「スタッフの喜ぶ顔が何より嬉しかった」
2019スーパーフォーミュラ第4戦富士。チームとしては9年ぶりの優勝を飾ったTCS NAKAJIMA RACINGの中嶋悟総監督が、レースを終えての心境を語った。
富士スピードウェイで行われた2019スーパーフォーミュラ第4戦。TCS NAKAJIMA RACINGの中嶋悟総監督は、9年ぶりの勝利を若いスタッフたちと分かち合えたことが何より嬉しかったと語った。
ウエットコンディションとなった決勝レースは、ポールポジションからスタートしたアレックス・パロウが一度もトップを譲らない走りを披露し、参戦4レース目にして初優勝を飾った。それと同時に中嶋悟総監督率いるTCS NAKAJIMA RACINGにとっては、フォーミュラ・ニッポン時代の2010年開幕戦鈴鹿で小暮卓史が勝って以来、9年ぶりの勝利となった。
「久しぶりにこういう場(記者会見の席)に来られたことを嬉しく思います。今年になって牧野、パロウのふたりが加入して、(ふたりとも)速さがあり、今までと違う緊張感の中でレースができていました。その中で4戦目でこういうプレゼントをしてくれたのは嬉しいです」
そう、記者会見で語った中嶋総監督。レース中は時よりコースオフする勢いでプッシュするパロウの64号車が何度も映像で映し出されたが、中嶋総監督はパロウの心境も考えながら“あえて”時間レースになったことは伝えなかったという。
「(コースオフのシーンを見た時は)大事に至らずに良かったな、と思いました。ペースは悪くなかったので、そのまままいけば(勝てるだろう)という感じでした」
「ただ、我々はタイムレースになったことはパロウには伝えずに最終ラップに『(時間がきたから)これで終わりだよ』と言いました。それを伝えて、また頑張って走りすぎちゃうとマズイですし、燃料が余ったら(余計に攻めて)いっちゃうじゃないですか。それが嫌だったので、最後まで言わなかったです」
そして、パロウがトップを守ったまま最終ラップを迎えた時、スーパーフォーミュラで初めて優勝を経験する若いチームスタッフたちが喜ぶ顔が、中嶋総監督の目に入ってきたという。
「(最終ラップを迎えた時は)本当に彼も我々も計算通りのレースができたなという気持ちだったのと……あとはスタッフですね」
「今、9年前(優勝を経験した時)のスタッフがほとんど残っていません。なので、メカニックやエンジニアも含めスーパーフォーミュラでの優勝が初めてというスタッフばかりだったので、その顔を見て喜んでいました」
「ちょっと(結果が)寂しい時代があったのですが、若いメカニックもエンジニアも、彼らが喜ぶ顔を見ることができたことが……一番嬉しかったです」
「今年になってメカニックたちもピット作業とかでは今までにない緊張感を持っていたと思います。それが報われたことが何よりですし『この喜びをもう一度!』という気持ちで、またみんな仕事に励んでくれればなと思います」
かつては毎年のようにチャンピオン争いに絡む活躍をするなど、名門チームとして知られていたナカジマレーシングだったが、2010年の優勝を最後に低迷期に入ってしまい、数多くの苦労があった。
それだけに、ようやく頂点の場所に戻って来られたという実感を噛み締めている中嶋総監督の表情が印象的だった。
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