マクラーレン、WEC参戦の可能性は未だ消えず。F1の予算制限が追い風も「準備ができていない」
マクラーレンは、将来のWEC参戦の可能性を否定していないものの、ザク・ブラウンCEOはチームはまだその準備ができていないと語った。
モータースポーツの様々なカテゴリーに参戦しているマクラーレンは、FIA世界耐久選手権(WEC)参戦の可能性を否定してはいないものの、まだその準備ができていないと考えているようだ。
マクラーレンは過去2年間に新たな投資を行ない、近年レース活動を大幅に拡大している。2020年からはインディカーに参戦。電動SUVで争うエクストリームEにも進出した。さらに撤退したメルセデスのチームを引き継ぐ形で、フォーミュラEにも参戦している。
フォーミュラEの開幕戦メキシコシティePrixでメディアの取材に答えたザク・ブラウンCEOは、各カテゴリーで結果を出し、自立することで潜在的なパートナーにリーチできるようにすることが今の焦点であると語っている。
他のカテゴリーへのさらなる成長の見込みがあるかと尋ねると、ブラウンはマクラーレンがWEC参入の見込みについて検討を続けているものの、現在のチームとのバランスを取る必要があると付け加えた。
「我々は今あるポートフォリオでとても忙しい。我々が注視していると話している他のシリーズはWECであり、それは我々にとってエキサイティングなことだ」
「そこでのデビュー戦だった1995年(J.J.レート/ヤニック・ダルマス/関谷正徳組がF1 GTRで優勝したル・マン24時間)に勝ったことがある。だが我々はF1で確実に進歩し続けなければならないと思う」
「インディカーではフルタイムで3台のマシンを走らせるまでに成長した。エクストリームEの初年度は成功し、表彰台に上がった。そして今、我々はここメキシコで、初めてのフォーミュラEレースに臨んでいる」
「WECは引き続き検討中だが、差し迫ったものはない。人材とパートナーシップの両方の観点から、各チームが自立していることを確認する必要があるからだ」
「そして、何か他のものが加わったとしても、それが我々の活動を妨げないようにする必要がある。それが長い答えだ。WECは我々が興味を持ち続けているモノだが、まだその準備ができていないんだ」
マクラーレンF1 GTR J.J.レート/ヤニック・ダルマス/関谷正徳
Photo by: Motorsport Images
ブラウンは、マクラーレンが他のシリーズにレース活動を拡大できるようにするためにはF1の予算制限が重要だったとし、予算に上限があるという概念がなければ、ほかの選手権への成長を認めることはできなかっただろうと話す。
また、年間約1300万ユーロ(約18億円)というフォーミュラE独自の予算制限も、マクラーレンがフォーミュラEに参戦する上で重要だったと説明している。
「まず何よりも、我々がF1チームをより良い状態にし、その一環として予算制限の導入が決まるまでは、インディカーやエクストリームE、フォーミュラEを参入することができそうになかったんだ」
「だからF1での予算制限が非常に重要だったと言えるだろう。フォーミュラEでもそれは重要だ。我々にとってはかなり魅力的だった」
「インディカーはその技術規則的に、エクストリームEと同様コスト抑制の面で非常に優れている。だからスポーツにおける負担は、そのスポーツを持続可能なモノにし、公平でバランスのとれた勝利の機会を与える上で決定的に重要だと思う」
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