スーパー耐久

「サーキットだからできることがある」ホンダ、レースを通してカーボンニュートラルへ挑む。HRCのS耐Qクラス参戦も?

レースを通じたカーボンニュートラル対応を目指すホンダのレース部門であるHRCは、今後の研究開発に向けて「サーキットだからこそできることがある」として、スーパー耐久ST-Qクラスへ出場の可能性を否定していない。

滑川 寛

編集: 2022/08/12 11:01

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Honda RA619H

 ホンダの二輪・四輪レース活動を担うホンダ・レーシング(HRC)は、活動方針のひとつに「持続可能なモータースポーツを実現するカーボンニュートラル対応」というものを掲げている。

 カーボンニュートラルと一言で言っても、電気に水素、バイオ燃料や合成燃料など、その手段は様々だ。世界は電動化に舵を切りつつあるものの、従来の内燃機関を使用できるカーボンニュートラル燃料の実現を目指す動きも少なくない。

 ホンダも、カーボンニュートラル対策への開発にリソースをシフトするためにF1撤退を決めており、多くのF1技術者が量産領域の研究開発へ向けて巣立っていった。

 変革期の真っ只中に、ホンダのモータスポーツ活動部門としてHRCはどうカーボンニュートラル化に取り組んでいくのか? その挑戦の”実験場”はレースにあると浅木部長は語る。

「サーキットだからこそ、できることがあると考えています」

「ひとつは燃料です。一番分かりやすいのはカーボンニュートラル燃料……(バイオマスを含む)地表にあるCO2を取り込んで燃料を作り、燃やしても取り込んだCO2が地表に戻るだけなので(総量は)増えないという燃料です」

「大量生産が難しく価格が高いという課題はありますが、サーキットの場を使って、そこを打破するような活動、研究開発をやっていきたいと思います」

「多くの技術者はEVの開発に向けて出ていきましたが、世の中どういう風に変わるかは分かりません。色んな道がある……または(EVと内燃機関車の)両方が残るかもしれません。そういったカーボンニュートラル技術を、サーキットで使う中規模の量(のカーボンニュートラル燃料)を使いながら、実験室とは違う環境の中で大量生産やコストダウンの研究をしていきます」

「世界最先端の技術をもっと磨くことで、社会にも貢献していきたいと思います。それがHRCの役目だと考えています」

#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept

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Photo by: TOYOTA GAZOO Racing

 F1は、次世代PUレギュレーションへ切り替わる2026年から、100%持続可能燃料を導入することを目指している。日本国内でも、スーパーGTが2023年からの本格導入を予定しており、スーパーフォーミュラでも開発テストが精力的に行なわれている。

 レース活動を通じたカーボンニュートラルへの取り組みという観点では、スーパーGTとスーパーフォーミュラの他にも、トヨタが2021年の富士24時間レースに水素エンジン搭載の『カローラ』を持ち込んで以降、スーパー耐久の開発クラスである「ST-Qクラス」には国内メーカーが多数集結し、様々なカーボンニュートラル技術のマシンが走っている。

 今年の富士24時間レースでは、トヨタとスバルが合成カーボンニュートラル燃料をマシンに使用。マツダはユーグレナ社の次世代バイオディーゼル燃料を使用し、日産は2台の新型『Nissan Z Racing Concept』のうち1台をバイオ燃料をベースとした燃料で走らせた。

 HRCがこのスーパー耐久のQクラスに参戦するという可能性はあるのだろうか? HRCの渡辺康治社長に尋ねてみると、「トヨタさんたちから『Qに来ないか』とお声がけは頂いています」と明かした。そして「(4つの)方針のひとつに掲げている『すそ野を広げる活層への注力』という面にも合致している」と、Qクラスへの参戦に前向きな姿勢を見せた。

 スーパー耐久のQクラス参戦計画が具体的に語られることはなかったものの、量産車に近いカテゴリーでHRCブランドのマシン、もしくはHRCが開発したカーボンニュートラル技術が詰め込まれたマシンが、近いうちに参戦することもあるかもしれない。

 

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