メルセデス代表、ルノーR25のデモランに感銘も「V10エンジンは過去の遺産」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、アロンソがアブダビで見せたルノーR25のデモランは素晴らしかったとしながらも、当時のV10エンジンが今のモータースポーツで受け入れられることはないと語った。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、アブダビGPの週末にフェルナンド・アロンソが担当したルノーR25のデモランから学ぶことがあると認めつつ、そのマシンは”過去の遺産”だとも語る。
F1アブダビGPの週末、2021年にF1復帰を果たす予定のアロンソは自身が2005年にF1タイトルを獲得した際のマシン”ルノーR25”に乗り込み、連日デモ走行を行なった。
当時のマシンは最低車重が605kgと、746kgである2020年のF1マシンと比較して大幅に軽いため、コーナーでは実にクイックな反応を見せた。また自然吸気V10エンジンは、現在のV6ターボエンジン+ハイブリッドシステムのパワーユニットよりも甲高い音を発生させる。
こうした要素もあってアロンソの走りを見た関係者らは大興奮。その音と迫力は、今のF1に欠けているものだと語った。
メルセデスのウルフ代表はこのデモランについて尋ねられた際、アロンソが走らせたR25が印象的に見えた原因を解明する必要があるとした一方で、V10エンジンはもはや現在のモータースポーツには適合しないと語った。
「V10エンジンを搭載したあのマシンは、一方ではCO2排出量の削減が求められておらず、電気自動車がほぼ存在しなかった過去の時代の遺産だ」
そうウルフ代表は語った。
「我々はたった今、新たな時代に移行しようとしているところだ。それは、妥協する必要があるということも意味する。しかし、その走りが見事だったことには同意するよ。機敏で小さく、150kgも軽かった。そして、素晴らしいエンジン音だった」
「テレビの映像を見ると、(今のマシンよりも)はるかに速く走っているように見えた。だから、学ぶべきことがあるだろう。私は、常に学ぶべきことがあると信じている」
「そのマシンが走ったことを後悔している人はいないと思う。ただそれを見た今、分析する必要がある。何が魅力的なのだろうか? そしてそれを魅力的にするのは音とビジュアルの問題なのか? 音のない写真を見ても素晴らしい……それはなぜなのだろうか? そういったことを分析する必要がある」
「我々はこのスポーツの利害関係者であり、あらゆる場所を改善していく必要がある。でもF1や各国の人たちがそれを見て、何ができるのかを考えてくれると思う」
ルノーのエステバン・オコンも、幼少期にR25の走りを見て育ったため、今回のデモランが印象的だったとする一方で、世界は進歩しているとウルフ代表の意見に同意した。
「確かに僕らは、その音を失った。それは間違いない」
そうオコンは語った。
「人々がF1について考える時、それが必要だと思うのなら、それは彼らの考え方なんだと思う」
「今のマシンは、ドライブすれば素晴らしく、とても速く、パワーもあるし、トルクも大きい。だから史上最高で、最速のクルマなんだ。もし今のクルマが同じような音を上げるなら、おそらくもっと良いだろう」
「でも、僕らは時代と共に生きる必要がある。そういうことだ。世界は動いている。それは、自動車業界でも同じ。自動車の音はだんだん小さくなってきているから、感情的なモノは少し失われるよね」
「でも今のマシンはとても速く、とても効率的で、信頼性も高い。単純なことだよ」
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