F1決勝前セレモニーの終了は突然だった? 反差別推進してきたベッテル「ちょっと驚かされた」
アストンマーチンF1のセバスチャン・ベッテルは、2022年シーズンにF1がレース前のセレモニーを廃止することについて驚きを示している。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
F1は最近、2022年シーズンから決勝レース前に行なうWe Race as Oneのセレモニーを中止することを明らかにしたが、アストンマーチンF1のセバスチャン・ベッテルはこうした決定に驚かされたと語っている。
『We Race as One』はF1が2020年シーズンから掲げてきたスローガンで、人種・ジェンダー差別の撤廃や新型コロナウイルスの根絶のために団結するべく始められた取り組みだ。
決勝レース前にはセレモニーの時間が設けられ、そこでは片膝を地面につけて抗議の意思を示すジェスチャーなども、ドライバー個人の意思で行なわれてきた。世界中のアスリートたちがイベントの前に膝をつくことで、差別との戦いで連帯を示すという意図もあった。
F1側は、2022年シーズンもレース前に映像を流したりスローガンを掲示したりと、”We Race as One”の取り組みは継続させるものの、「ジェスチャーから行動を起こすことが重要」と語っていた。
こうしたF1の決定に驚きを隠さないのが、セバスチャン・ベッテルだ。彼は前述の膝つきなどのジェスチャーを行なう時間を確保することを後押ししていた主要な人物のひとりでもある。
ベッテルは、今回のF1の決定にあたり、ドライバー側に相談はなかったと語っている。
「いや、彼らは急に変更してきたんだ。ちょっと驚かされたよ」
「僕らが取り組んでいる問題というのは、2年で解決するようなものじゃないと思う。だから少し驚かされた」
「ドライバーとして一丸になって、僕らにとって重要なトピックスを表すことのできる方法や枠を見つけられることを願っている」
「おそらく、ドライバー全員が気にしているわけではないだろう。でも本当に考えてくれている人も居ると思うんだ。一緒に団結できたら、それは素晴らしいことだろう」
「ただおそらく、ビジネスという点ではちょっと強烈すぎたのかもしれない」
なおF1によるとセレモニー終了に関しては、発表の数週間前から全チームにその意向が伝えられていたという。
ベッテルは近年最も社会問題に対する声を高く上げてきたドライバーだ。昨年のハンガリーGPでは、同国で敷かれた反LGBT法に対して、グリッド上でレインボーカラーのTシャツを着用し、強い反対の意思を示したこともあった。
一方でF1は、多様性向上を目的とした活動の一環として、2月8日に正しい評価が与えられていないエンジニア団体を対象にした奨学金制度への関与を拡大。元F1 CEOのチェイス・キャリーから100万ドル(約1億円)の寄付を受けて設立されたこの基金を2025年末まで続けることに合意した。
この奨学金制度により10名の学生が支援を受け、イギリスとイタリアの大学で実習を開始している。またF1は、事業全体で実習生やインターンシップでの雇用機会提供も視野に入れている。
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