偶然、それとも……? メルセデスPU勢が低調に終わった開幕戦。トト・ウルフ代表「問題はシャシー側にある」と語る
2022年シーズンのF1開幕戦バーレーンGPでは、週末を通してメルセデスPU勢が低調だった。しかしメルセデスのトト・ウルフ代表は、PU側に問題はないと考えている。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
F1 2022年の開幕戦バーレーンGPでは、メルセデス製パワーユニット(PU)勢の4チーム全てがチェッカーまでたどり着いたものの、いずれも苦戦を強いられた。しかしメルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフは、メルセデスPU勢が揃って低調に陥ったのは偶然であり、シャシー側に問題があると考えている。
2022年はテクニカルレギュレーションが変更され、シャシー形状は大きく変化した。しかしPU側の変更は、新たに導入されたE10燃料への適応が必要だったとはいえ、その他のレギュレーションに大きな変化点はない。ただ、PUは今年から2025年まで開発が凍結されるため、各PUメーカーは本腰を入れて2022年に向けて開発を行なってきた。
開幕戦をワンツー体制で制したフェラーリは、新シーズンに向けてメルセデスやホンダ(レッドブル・パワートレインズ/RBP)との25馬力の差を埋めることができたと公言しており、フェラーリに加えそのPUを積むハースF1とアルファロメオは大躍進を見せた。ケビン・マグヌッセン(ハースF1)が5位、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が6位入賞を成し遂げたのだ。
ホンダに変わりRBPのPUを使うレッドブルとアルファタウリは、開幕戦で搭載する4台中3台がリタイア。レッドブルの2台は標準供給パーツである高圧燃料ポンプのトラブルだとチームは推測している。
トラブルによるリタイアに終わったものの、決勝レースでのスピードトラップでは、トップ4をRBPの4台が独占。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が327.9km/hで最速スピードを記録した。
一方で、プレシーズンテストからの見方通り、メルセデスのファクトリーチームに昨年までの勢いはなく、予選ではルイス・ハミルトンが5番手、ジョージ・ラッセルが9番手。決勝レースではハミルトンが3位表彰台を獲得し、ラッセルも4位に続いたが、週末全体を通してフェラーリとレッドブルに並ぶパフォーマンスは出せないでいた。
同じくメルセデスPUを積むマクラーレンやウイリアムズ、アストンマーチンもグリッドの後方に沈み、決勝レースでもペース不足に悩まされた。
メルセデスPU側に問題があるのか、それともPUとシャシーの全体的な問題なのかと尋ねられたウルフ代表はこう答えた。
「(マシンの)全体的な問題だと思う」とレース後にウルフは言う。
「大きなリヤウイングがあるし、空気抵抗も大きすぎる。(従来より)2.5〜3秒くらいの差があると思う」
「もちろんエンジン側でも最適化は必要だし、F1を戦うために求められる要素である。我々としては、自分たちの仕事を上手くやるだけだ」
マクラーレンは、昨年フェラーリとコンストラクターズランキング3位争いを展開し、バルセロナテストではフェラーリと共にトップチームを脅かす存在になるとまで謳われた。しかし、開幕戦ではダニエル・リカルドが14位、ランド・ノリスが15位と大失速している。
マクラーレンの苦戦は、ストレートスピードや馬力が足らないが故かと尋ねられたノリスは次のように答えた。
「関係ないよ」とノリスは語る。
「僕らのマシンはダウンフォースが圧倒的に足りてないから、ハンドリングがとても悪いんだ。ダウンフォースがなければ、タイヤも上手く使うことができないし、全てが悪い方向に進んでしまう」
「アンダーステアだったり、オーバーステアだったり……色んなことが起きてしまうんだ。そこが問題だと思う。それが起こらないようにしなきゃいけない」
「リヤにも、フロントにも必要だ。ダウンフォースが必要なんだ。簡単に聞こえるけど、解決するのはとても複雑なんだ」
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