【F1】メルセデスの新エンジン投入で、深まるオイル”不正燃焼”疑惑

規制が強化される直前のベルギーGPでメルセデスが新エンジンを導入したことから、エンジンオイルの不正燃焼疑惑が深まっている。

 FIAは今シーズンを通し、パフォーマンスを向上させるためにエンジンオイルをガソリンと共に燃焼させることを問題視し、規制を強化。使用できる化学成分の制限など、様々な技術指示を出してきた。

 さらに夏休み直前のハンガリーGPでは、イタリアGPからエンジンオイルの消費量が新たに制限されることが発表された。イタリアGP以降に導入される新しいエンジンは、『エンジンオイルの消費を走行距離100kmあたり0.9リットルまでに制限』されることになる。

 一方で、ベルギーGPまでに導入されたエンジンはこの規制の対象ではなく、走行距離100kmあたり1.2リットルまでエンジンオイルを”使用”することができる。もし仮に、エンジンオイルの不正燃焼を行っていた場合、イタリアGP前にエンジンを導入することで、そのアドバンテージを維持することが可能だ。

 メルセデスはベルギーGPで4基目のエンジン(ICE)、ターボチャージャー(TC)、MGU-Hを導入した。しかし、彼らは2戦前のイギリスGPで3基目のICE、TC、MGU-H、MGU-Kを投入したばかりで、シーズンはまだ8レース残っている。早すぎる新たなコンポーネントの導入は、イタリアGPでのエンジンオイル規制と関係しているのではないかという、疑いが深まるのは当然だと言える。

 これまでエンジンオイルの不正燃焼を疑われてきたフェラーリとメルセデスの間には、ベルギーGPで新エンジンを導入しないという”紳士協定”があったとの噂もあるが、双方のチーム関係者はこの件についてチーム間での議論はなかったと認めている。

 とはいえ、新たなパワーユニットを得たルイス・ハミルトンが、ベルギーGPでポール・トゥ・ウィンを達成していることから、オイル燃焼を含め、メルセデスが得ている潜在的なアドバンテージについては話題の的になっていくことだろう。

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフはベルギーGP後に、メルセデスとフェラーリのタイトル争いは、両者がオイルを不正に燃焼しているという証拠にはならないと語り、いかなる問題についてもライバルと議論することはいいことだと述べた。

 motorsport.comがオイル不正燃焼問題について訊くと、「我々は熾烈な競争をしている。一方で、何か問題があれば膝を突き合わせて話し合い、議論することができる関係だ。こっそりとだがね」と、彼は答えた。

「今のところは、そうなっていない。公になっていないこともあるし、真実じゃないこともある。これまでのところ、私はこの件について心配していない」

 関係者の話では、メルセデスの新しいエンジンはスパ・フランコルシャンの1周で約0.1秒ほどのタイム向上があったようだ。メルセデスが有利だと見られていたスパで、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に0.242秒差でポールポジションを獲得したハミルトンにとっては、その0.1秒は大きな役割を果たしたとも考えられる。

 しかしウルフは、それがハミルトンが優勝するのを助けた、重要な要素だったとみなすのは間違っていると考えているようだ。

「現状では、パフォーマンスを最大限まで引き出す必要があると考えている。そして、それは時に難しいことだ。我々は予選とレースで、パフォーマンスのバランスをとらなければならないからだ」

「第2セクターでは、レースでアドバンテージを得るために、予選パフォーマンスをある程度あきらめてしまっている。だから、(新エンジンのパフォーマンス向上は)その0.1秒にもう何百分の1秒か足す必要がある」

「今日は、それで勝つのに十分だった。全ては積み重ねだから、どれかひとつ、重要な要素をピックアップすることはできない」

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シリーズ F1
チーム メルセデス
記事タイプ 速報ニュース