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3年ぶりにオーストラリアにF1が戻ってくる……その間に改修されたコースで、どんなバトルが繰り広げられるか??

F1オーストラリアGPの舞台であるアルバートパーク・サーキットは、久々の開催に向けて大改修が施された。この改修により、どんなバトルが見られることになるのだろうか?

Albert Park modifications

写真:: Australian Grand Prix Corporation

 今週末にF1オーストラリアGPを開催するアルバートパーク・サーキット。新型コロナウイルスの影響により、2020年、2021年と2年連続で開催できなかった同GPだが、その間にサーキットにはいくつかの改修が行われている。

 アルバートパーク・サーキットで初めてF1オーストラリアGPが開催されたのは1996年のこと。湖を周回する公道と、公園の駐車場を使って形作られるコースであり、レイアウトは初開催から今まで、ほとんど変わってこなかった。

 しかし今回は大きく改修が施された。レイアウトも変更され、路面やピットレーンも新しくなった。

 では本稿では、アルバートパーク・サーキットがどう変わったのかを見ていこう。

■ターン1

 クラッシュが起きやすいことで知られるアルバートパーク・サーキットの最初のコーナーは、コースの右側に2.5m広げられており、マシンが並走して通過しやすいようになっている。

■ターン3

 短い直線の後、主なオーバーテイクポイントであるターン3は、ポジティブキャンバーがつけられ、コーナリング速度が上がる傾向にある。またコースの右側が4m広げられているため、様々なラインを取ることができるようになった。

Albert Park, new layout

Albert Park, new layout

Photo by: Australian Grand Prix Corporation

■ターン6

 かつては難しいコーナーだったターン6には、大きな変更が加えられた。右側が7.5m以上広げられ、ストップ&ゴーだったコーナーが、より高速で通過できるようになった。その結果コーナーの通過速度は、70km/h程度向上するモノと考えられている。

■ターン9〜10

 かつてのターン9〜10のシケインはなくなる。これによりターン7を立ち上がった後は、新しいターン9〜10(以前のターン11〜12)まで全開区間となるはずだ。この複合コーナーへのアプローチでは330km/h程度まで上がると予想され、ターン9でドライバーにかかるGは5.4Gにもなるのではないかと考えられている。この新しくできた全開区間は、DRSゾーンにも指定される。

■ターン11

 全開区間を抜けた後、ターン11には超高速で飛び込むことになる。つまり、最大のオーバーテイクポイントということになるわけだ。コーナーはイン側に3m広げられ、ポジティブキャンバーもつけられている。これにより、走行可能なラインは増えるはずだ。

■ターン13

 最終コーナーの手前、ターン13もイン側が広げられており、ドライバーは自身のポジションを守るのが難しくなるはずだ。

■ピットレーン

 ピットレーンも幅が2m広げられており、ピットウォールがこれに伴ってコース側に移動された。これにより、以前存在していたピットウォールとコースの間の芝生の部分がなくなっている。レーンの拡幅に伴い、制限速度はこれまでの60km/hから80km/hに引き上げられる見込み。ただこれにはFIAの承認が必要である。

Daniel Ricciardo, Renault F1 Team R.S.19, in the pits

Daniel Ricciardo, Renault F1 Team R.S.19, in the pits

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

■再舗装

 コースのレイアウトは、1周ほぼ全てが再舗装された。このサーキットは、初開催の1996年に先立ち、1995年に舗装が施された後、そのまま変わっていなかった。そのため、改修に伴う必須の作業だったと言えよう。しかも1年のうちほとんどは公道として使われるため、この27年間の間にかなりの量の自動車が走行してきたはず。再舗装は遅すぎたくらいかもしれない。

■なぜ改修が行なわれたのか?

 アルバートパーク・サーキットのレイアウトを変更することは、ここ数年の間ずっと検討されてきた。ドライバーもチーム代表らも、このレイアウトには批判的であり、マシンが速くなるに連れて、時代遅れであるとも言われてきた。走行ラインが1本しかなく、しかもブレーキングゾーンは実にバンピー……オーバーテイクは実に難しいサーキットだったのだ。

 2017年、オーストラリアGPのプロモーターであるオーストラリア・グランプリ・コーポレーション(AGPC)は、サーキットに大規模な変更を加えることについて、本格的な調査を行なった。この調査によって出された案は、湖の北側のコーナーを減らし、全開区間を長く取るということだった。これは、今年行なわれた改修計画によく似ている。

 ただこの時の計画は頓挫することになった。改修を行なうためには、公道として使用されている道路を当然閉鎖しなければならない。改修によって長期間にわたって道路が閉鎖されれば、地元の日常生活に混乱が及ぶのは必須。当時のAGPCの計画では、十分な利益を得られるだけの正当性がなかったのだ。

 しかしそれでも、レイアウトに対する批判はドライバーたちから多く上がり続けたため、改修のアイデアが再び議題となった。

 そして最終的に、AGPCは再舗装することを決定。同時にコースレイアウトも変更することを決めたのだ。そして新型コロナでグランプリが開催できない時間も活かし、2021年の初頭から作業が開始されることになった。

 作業は3段階に分けて行なわれた。ひとつめはピットレーンである。ピットレーンは前述の通り2m拡幅。これによって、これまで60km/hだったピットレーンの制限速度を80km/hに引き上げようとしたのだ。

 2段階目は、新しいレイアウト実現のための作業だった。そして最終段階として再舗装が実施……この作業は今年初めに完了している。

Albert Park modifications

Albert Park modifications

Photo by: Australian Grand Prix Corporation

■サーキット改修で、レースにはどんな影響が?

 アルバートパーク・サーキットの改修は、特にオーバーテイクのチャンスを増やすことを目的に考えられたモノだ。

 ターン1が重要なオーバーテイクポイントになる可能性は低いが、コース幅が広げられたことで複数のラインを取ることができるようになり、続くターン3でオーバーテイクできるチャンスを引き上げることに繋がるだろう。しかもそのターン3も4メートル拡幅され、ポジティブキャンバーもつけられた……よりオーバーテイクしやすい方向になろう。

 ターン9〜10のシケインがなくなったということは、オーバーテイクポイントがひとつ減るということになるだろう。しかしここでオーバーテイクが多く見られたかというと、実はあまりなかった。

 そのためこのシケインがなくなったことで、全開区間が拡大。その結果ターン11は重要なオーバーテイクポイントとなるだろう。

 ターン6を立ち上がったF1マシンは、アクセル全開で走行。新生ターン9〜10も全開でクリアし、ターン11に飛び込んでいく。このコーナーも幅が広くなり、ポジティブキャンバーが存在。その面でも、オーバーテイクがしやすくなっているだろう。

 なおピットレーンの幅が広げられたことで、制限速度を80km/hに高めることが承認されれば、ピットストップのロスタイムが縮まる。つまり、マルチストップなど戦略面での選択肢が拡大することになるわけだ。

 なおラップタイムは、これまでよりも5秒速くなるという計算もある。

■アルバートパーク・サーキットのデータ

長さ:5.279km
ターン数:14(以前から2減)
最速ラップ:1分24秒125(ミハエル・シューマッハー/フェラーリ/2004年)
開催されたグランプリ数:24(1996〜2019)
観客収容制限数:14万
最多勝利ドライバー:ミハエル・シューマッハー(4勝)
最多勝利チーム:フェラーリ(8勝)
最後の勝者:バルテリ・ボッタス(メルセデス/2019年)

 
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