F1メカ解説|フェラーリ、日本GPにアップデート版のフロアを投入。パフォーマンス向上なるか?
フェラーリは、鈴鹿サーキットで行なわれているF1日本GPで、新型のフロアを投入。これにより、パフォーマンス向上を目指している。
写真:: Giorgio Piola
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
フェラーリは日本GPにアップデートが施されたフロアを投入。パフォーマンスを改善することを目指している。
フェラーリはフランスGPでアップデート版のフロアを投入し、その後複数回にわたって微調整を行なってきた。
ただ、ベルギーGPからは新しい技術指令が導入され、マシンの上下動やフレキシブルフロアの使用が制限された。フェラーリはこの新しい技術指令下でパフォーマンスを向上させる方法を理解しなければならなかった。
その一環としてフェラーリは、日本GPに新しいフロアを投入。ストレーキやフロア下のデザインが変更され、さらに金属製のステーの配置を変更することで、フロアの剛性も変更させてきたようだ。
金属製のステーは、以前はフロアのかなり外側に接続されていた。しかし日本GPに持ち込まれた新型では、より車体中心線に近づけられることになった。
フロア自体の剛性が変わっていなければ、ステー位置の変更により、リヤタイヤ直前のフロアはより柔軟になっているはずだ。これを利用すれば、空力性能を向上させることができるようになる。
Ferrari F1-75 floor fence comparison
Photo by: Uncredited
また前方では、フロア外側のフェンスの形状が変更された。写真左下の丸の中が旧仕様であるが、緑色の点線で強調したフェンスの輪郭を比較すると、新型はより直角に近い角度で切り欠きが設けられているのがわかる。
またこれに伴い、ビブの長さ、スプリッターやビブウイングなどにも、その向きも含めて変更が加えられている。
今回のアップデートは、空気の流れに明らかに影響を及ぼしているはずで、ベルギーGP以降に生じた車高変動に対する感度の問題を軽減するはずだ。
しかしもっと重要なのは、気流の下流域に及ぼす影響が変わるということだ。この変更は、間違いなくフロアの下で行なわれている。フロア下はなかなか見えないため、本稿ではその変化を示すことができない。
ただフェラーリが他のチームと同じような開発軌道を辿っている場合、おそらく”アイススケート”と呼ばれるソリューションのパフォーマンスを向上させているはずだ。
他チームは空力性能を強化し、フロア下のベンチュリトンネルとディフューザーからさらなるパフォーマンスを引き出すために、床下に取り付けられたアイススケートと呼ばれるスケート靴の刃のようなパーツのすぐ近くに、突起を追加している。
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