ウイリアムズで苦境を味わったパディ・ロウ、古巣のオーナー交代を喜ぶ「もっと早く売却すべきだった」
パディ・ロウは、ウイリアムズがもっと早くF1チームを売却し、“負のスパイラル”から脱するべきだったと語った。
Paddy Lowe, Chief Technical Officer, Williams Racing
Andy Hone / Motorsport Images
かつてウイリアムズF1チームの最高技術責任者を務めたパディ・ロウは、ここ数年悲惨な状態にあったウイリアムズがもっと早くチームを売却すべきだったと考えているようだ。
ウイリアムズの黄金期である1987年から1993年にかけてチームに所属していたロウは、2016年にメルセデスを離れて古巣に復帰。同時にチームの株主にもなった。
しかし、復帰したロウは決して成功を収めたとは言えなかった。ウイリアムズは2018年にコンストラクターズ選手権で最下位に沈み、2019年はマシンのデザインや製造に大幅な遅れが生じた結果、開幕前テストの参加が遅れるなど、状況は悪化していった。ロウはその後いわゆる“ガーデニング休暇”に入って休職状態となり、その3ヵ月後に正式にチーム離脱が決定した。
ウイリアムズは2018年から3年連続でコンストラクターズランキング最下位となっているが、昨夏にはついにオーナーシップが変更。チーム創業者であるフランク・ウイリアムズの一家が退き、ドリルトン・キャピタルに株式が売却された。
F1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』に出演したロウはその中で、ウイリアムズがチームを売却し、ウイリアムズ家が去ることを知った時は「嬉しかった」と語った。
「それは彼らが長い間必要としていたことだったし、色々考えてみると正直もっと早い方がよかったと思っている」
「あのチームは資金面で負のスパイラルに陥っていた。私はそこにいながら負のスパイラルがどんどん悪化していくのを見ていたが、それはとても悲惨だった」
「売却以外に良い終着点がないことは分かっていた。だから完全にダメになってしまう前に色々と断ち切って前に進んだ方が良い」
「チームが適正価格で売却されたことで、クレア(ウイリアムズ/チーム副代表)たちはチームを去り、その一方で名前は残った。私は嬉しかったよ」
「彼ら(ウイリアムズ家)はチームを前進させ、負のスパイラルを違った方向に持っていけるだけの資金を持った投資家を見つけたのだ。まだまだ時間はかかるだろうが、彼らと交代した人たちは忍耐強い人たちなはずだ」
ロウはまた、成功を収められなかった自身の“ウイリアムズ第2期”については「あまり考えたくない時期」だと語り、ハードワークに対して何の見返りもない、楽しくない時期であったと形容した。
さらに彼は、自身がチームに加入する前からウイリアムズはいくつかの問題を抱えていたといい、強力なメルセデス製パワーユニットがその問題点を覆い隠してしまっていたと語った。
「ウイリアムズは2014年から長い間、最高のエンジンによる恩恵を受けていた。だから言ってみれば、基本的なパフォーマンスについて間違った印象を与えていた」
「彼らは古くから持っていたアドバンテージを徐々に失っていた。適切な投資や適切な決定が行なわれなかったために、組織は路頭に迷い始めたんだ。マシンが一瞬にして悪くなることはない。何かがほどけるのは、何かを巻く時と同じくらいゆっくりなのだ」
「私はウイリアムズが新しいオーナーの下で成功することを祈っている。彼らが資金のあるオーナーを得たことは素晴らしいことだ。最終的にはあらゆることに資金が必要になるからね」
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