F1メカ解説|アルピーヌ、フロアを軽量化か? 以前はなかった金属ステーが追加
アルピーヌはF1エミリア・ロマーニャGPに、アップデート版のフロアを投入した。このフロアには金属製のステーが追加されており、軽量化を目指したものである可能性が高い。
写真:: Giorgio Piola
今季各F1チームは、マシンを軽量化するのに苦しんでいる。そのため、投入されるアップデートパーツの多くは、軽量化のためのもの。アルピーヌもこの軽量化を推し進めるため、エミリア・ロマーニャGPに新しいパーツを投入した。
アルピーヌがイモラに持ち込んだのは、新しいフロアとビームウイングである。これらは1セットしか用意されなかったため、FP1ではフェルナンド・アロンソのマシンのみに装着。その感触を試した。
興味深いのは、新しいフロアに金属製のステーが取り付けられていることだ。
今季多くのチームは、フロアを軽量化したため、グラウンド・エフェクト効果が発生してフロアが路面に吸い寄せられた際、フロアが曲がってしまうという事象に遭遇した。これにより気流が阻害されるとダウンフォースが抜けてしまい、ポーパシング現象の一因となってしまう。これを阻止するため、多くのチームがステーを取り付けていたのだ。
ただアルピーヌの従来仕様のフロアは強固であり、曲がることはなく、ステーを取り付ける必要はなかった。
チームのチーフ・テクニカルオフィサー(CTO)であるパット・フライは、サウジアラビアGPの際に次のように説明していた。
「我々は最高のパフォーマンスを発揮できるようにマシンをデザインした。それが僅かに重く、重量オーバーになることを、我々は受け入れたのだ」
そうフライCTOは語った。
「フロアにはかなり剛性を持たせている。そしてボディ自体が幅広なため、強固に設置することができる。正直に言って、そのことが我々を手助けしてくれた」
「しかし、ステーの追加が許された時、それはちょっとすべきことではないと思った。しかし、私に何が言えるというんだ? 少しばかり苛立たしかった」
「我々のステーは既に十分に強固だったので、ステーを取り付けていない。でもそのステーは、他チームを大いに助けることになったと思う」
「それは全て駆け引きの一部だ。我々はただそれを冷静に受け止め、次のアップグレードのために設計を行なう必要がある。より軽いマシンを作ることができるが、我々は既に制限重量を使い果たしてしまった」
今回投入されたアルピーヌのフロアには、金属製のステーが取り付けられている。これは、チームが剛性を捨て、軽量化を目指した証拠であるとも言える。つまりこのステーで、フロアが変形するのを防いでいるわけである。
Alpine A522 Floor comparison
この新しいフロアは、軽量化されただけではない。フロア端の切り欠きの形状も変更された。
またフロアの前端も変更。アストンマーチンが最初に取り入れたキールウイングを、アルピーヌも採用してきた(円内の青い矢印)。
またフロア先端のストレーキ(黄色の点線)も変更。このエリアは今シーズンの開発の肝となると見られており、今後も頻繁に変更が加えられていくことになろう。この新しいデザインは、以前のものより側面積が大きくなっているが、後端の形状が変わっていて、より大きな渦を生み出すことが期待されているはずだ。
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