首位と2.5ポイント差で最終決戦に……悲願の初タイトル目指す12号車IMPULのバゲット「もてぎはZにとって得意なコースのはず」
12号車カルソニック IMPUL Zのベルトラン・バゲットは6位でフィニッシュした第7戦オートポリスについて、素晴らしいレースではなかったものの、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの前でフィニッシュするという最低限の目標は果たせたと語った。
2022年のスーパーGTは、最終戦を前に6組12名にタイトル獲得の可能性が残されているが、ポイント差を鑑みれば実質三つ巴の状況である。そんな中、ポイントリーダーの3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正、高星明誠組を2.5ポイント差で追うのが、12号車カルソニック IMPUL Zの平峰一貴、ベルトラン・バゲット組だ。
12号車は第7戦オートポリスで6位に入り、7位フィニッシュの3号車に対してポイント差を縮めることができた。バゲットはオートポリスでのレースウィークを振り返り、12号車の本来の速さを示すことはできなかったものの、少なくとも3号車の前でゴールできたことは良かったと語った。
「チャンピオンシップでトップに立てればそれが一番良かったけど、最大の目標は3号車の前でフィニッシュすることだった」
バゲットはそう語る。
「予選では、燃料リストリクターの影響もあって10番手タイムが精一杯だった(※36号車au TOM'S GR Supraのペナルティで決勝は9番グリッド)。でも僕のスティントはスタートにも助けられてとてもうまくいった」
「ダンロップは苦戦するだろうと思っていたから、64号車(Modulo NSX-GT)は抜きたいと思っていた。23号車(MOTUL AUTECH Z)と8号車(ARTA NSX-GT)の前に出られたのは計画外だったけど、1コーナーでチャンスが来た時にそれを活かすことができた」
「そこからは19号車(WedsSport ADVAN GR Supra)を先頭とするパックの中に入って、後続を離していった。リスクを負わないとオーバーテイクはできない状況だったけど、チャンピオン争いのライバルである17号車(Astemo NSX-GT)や14号車(ENEOS X PRIME GR Supra)が目前に見えていた」
「また3号車が後ろにいることも分かっていたので、リスクを負ってまで14号車を抜きにかかる意味はなかった」
#12 カルソニック IMPUL Z
Photo by: Masahide Kamio
バゲットは65周のレースが24周を消化したタイミングで平峰にバトンタッチ。そこから平峰は5番手を走行していたが、残り3周で4番手を走る14号車をパスしようとした際に3コーナーでオーバーランしてしまい、逆にポジションを落として6番手でのフィニッシュとなってしまった。
結果的に12号車は3号車のひとつ前のポジションでフィニッシュしたが、チャンピオンシップポイントは1点しか縮めることができなかった。
「(平峰のコースオフで)チャンピオンシップが大きく変わるとは思わない」とバゲットは言う。
「でも、38号車(ZENT CERUMO GR Supra)や8号車にトラブルが起きたり、39号車(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が変わった戦略を採ったりしたので、3号車にとってはラッキーだったと思う。それで最終的に僕たちは1ポイントしかゲインできなかった」
「素晴らしい週末ではなかったけど、全ては(最終戦)もてぎにかかっている。今シーズンの目標は、最終戦でチャンピオン争いに生き残ることだったけど、それは達成された」
昨年までホンダ陣営に所属していたバゲットにとって、最終戦にタイトルを懸けて臨むのはこれで3年連続……悲願の初タイトルを狙う。彼は開幕前のテストで訪れたもてぎについて、Zに合っているコースだと考えている。
「Zの特性を考えると、もてぎは僕たちにとって良いコースになるはずだけど、僕たちが倒さないといけないのもZな訳だから、彼らよりも良い仕事をする必要がある」
「厳しい戦いになると思うけど、今年も(タイトルを懸けて)戦えるポジションにいられることを嬉しく思う」
「できる限りの準備をして、正しいタイヤを選んで、その結果チャンピオンに届けばいいと思っている」
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