ジョビナッツィのF1キャリアを左右した2週間。スパでの”失態”を挽回
アルファロメオのフレデリック・バスール代表は、アントニオ・ジョビナッツィがベルギーGPでクラッシュしたことで、シートを失いかけていたと明かした。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
アルファロメオF1チームは、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィのラインアップを継続し2020年のシーズンに臨む。しかしジョビナッツィは、ベルギーGPでクラッシュを喫したことで、シートを失いかけていたという。
ジョビナッツィは、2019年シーズンにF1フル参戦デビュー。しかしシーズン前半は、ポイントになかなか手が届かない苦しいレースが続いた。オーストリアGPで10位となりF1初ポイントを獲得したものの、不本意な成績のままシーズン後半戦に臨むことになった。
夏休み明けのベルギーGPで、ジョビナッツィは力強い走りを披露。18番手スタートから、9番手まで浮上した。ところが、ジョビナッツィはラスト2周でクラッシュ。ポイントを持ち帰ることができなかった。
こうしたミスからジョビナッツィのシートが危ぶまれたが、その翌週に行なわれたイタリアGPで9位に入賞したことで、チームの信頼を取り戻した。
「スパでのクラッシュは、チーム全員にとって大きな衝撃だった。素晴らしいチャンスだったからだ」
アルファロメオのチーム代表であるフレデリック・バスールは、motorsport.comにそう語った。
「アントニオは戻ってこなかった。最後の数周でクラッシュしてしまったんだ」
「こういったことがキャリアを決定づける可能性があるので、我々はアントニオと厳しい議論をした。我々は未来のことについて考えていた。我々はその翌週(イタリアGP)に状況について話し合う必要があり、彼は非常に良いリアクションをした」
バスールは、ジョビナッツィが2011年のヤルノ・トゥルーリとヴィタントニオ・リウィッツィ以来となるイタリア人F1ドライバーであり、ホームであるイタリアGPを走るという重責の悪影響を心配していたという。
そんな中、ジョビナッツィがプレッシャーをうまくコントロールしていたことに感銘を受けたと話した。
「イタリアGPは、アルファロメオのホームレースであり、多くのプレッシャーがかかり、たくさんのゲストが訪れる。そして彼には、記者会見でスパに関する質問がたくさんされた」
「彼は非常に良い仕事をしたと思う。プレッシャーはかかっていたが、モンツァとシンガポール(10位)で良い仕事をした。とても良い対応だった」
シーズン後半のジョビナッツィは特にレースで一貫性のある走りを披露。2020年、ライコネンのチームメイトとしてシートに座るにふさわしいと証明した。
「私の考えでは、アントニオがモンツァでどのように対応したのかが鍵だった」と、バスールは主張した。
「アントニオの問題は、彼がリードしている時にパフォーマンスが低下していたことだ。チームメイトの前に出ることもできたが、それが14位や15位の時はあまり注目されない。6位や7位の時は、誰もが話題に出すんだ」
ジョビナッツィの好調とは反対に、アルファロメオは中団争いのライバルたちに対して遅れをとり始めてしまった。こうした状況から、ジョビナッツィはポイント獲得という結果をなかなか残せなかったが、波乱のレースとなったブラジルGPでは5位入賞を果たした。
「チームに力を示すこと、そしてポイントを獲得することが重要なんだ。なぜなら、パドックの全員が結果に注目しているからだ」と、バスールは話した。
「間近で仕事をしていなければ、適切な分析をすることは困難だ。どうにかして(ポイントを獲得し)肩の重荷を降ろさなければならない」
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