タイヤ交換が早すぎて発覚? シートベルトの装着違反でアル-アティヤに5分ペナルティ
ダカールラリーのスチュワードは、ステージ8で発生したシートベルトの装着違反を理由に、トヨタのナッサー・アル-アティヤに5分のタイムペナルティを科した。

2022年のダカールラリーは競技10日目のステージ9までが終了した時点で、4輪クラスはトヨタのナッサー・アル-アティヤが総合首位に立っている。しかし、彼にはシートベルトの装着義務違反があったとして、5分のタイム加算ペナルティが科せられた。
アル-アティヤは依然として総合首位を維持しているが、総合2番手のセバスチャン・ローブ(BXR)に対するリードは39分5秒から、34分5秒に減ることになった。
違反自体は、ステージ8で発生。アル-アティヤは違反から24時間以上が経過した後にペナルティを受けた。
アル-アティヤとコドライバーのマシュー・ボーメルは、ステージ8の走行中、約1分45秒に渡ってシートベルトとFHR(HANSに似た首と頭部を保護するデバイス)を正しく装着していなかったとのことだ。
ソーシャルメディアでは、アル-アティヤとローブがステージ8でマシンを止め、タイヤ交換した際にかかった時間を比較する動画がアップされている。
アル-アティヤが1分17秒でタイヤ交換を完了させて走り出しているのに対して、ローブは1分54秒かかった。だがアル-アティヤ組の方がマシンから降りるのが早かった他、クルマに乗り込んでから走り出すのが非常に早かった。対するローブは、マシンから乗り込んでから走り出すまで、多少のタイムラグがあった。
スチュワードはアル-アティヤ組がクルマから降りて再び乗り込むまでの時間が「シートベルトを適切に締めるには短すぎる」と判断。主催者に対し、オンボード映像でこの件を確認するよう求めた。
結果として、スチュワードは、「車両に乗り込んだ後、ドライバー(アル-アティヤ)はギヤを入れて車両を発進させた」と報告した。さらに映像によると、クルーのふたりが1分45秒間にわたってシートベルトをきちんと締めるために作業をしていたようだ。
また、短時間ではあるがコドライバーのボーメルがハンドルを握り、アル-アティヤにシートベルトを締める機会を与えてもいたという。
世界ラリーレイド競技規則第48.1条では、『車両があらゆる種類の区間を走行中、停止制御を行なうまでの間、乗員は機器メーカーが意図した通り、クラッシュヘルメットやドライバーの装備および機器を着用し、安全ベルトを正しく締めなければならない』とされている。
映像確認などに時間がかかりペナルティが出るまでに時間がかかったが、スチュワードはアル-アティヤ組が、安全な行動をとらなかっただけでなく、その行動の結果として時間を稼いだと判断し、「アドバンテージを補うためのタイムペナルティが必要である」と裁定した。
安全のためにもシートベルトはしっかりと締めてから走行しなければならないのは、一般道と同じ。ワンミスで総合首位から陥落しかねない状況とはいえ、最後まで安全にラリーを走りきってもらいたいものだ。
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