F1メカ解説|工夫を凝らし、新旧パーツが“共演”……メルセデスがハンガリーで採用したアイデアをチェック
レッドブルやフェラーリとの優勝争いに生き残るため、ハンガリーGPでマシンにさらなる微調整を加えてきたメルセデス。その様々なアイデアをチェックしていこう。
写真:: Giorgio Piola
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
ハンガロリンクで行なわれるF1第13戦ハンガリーGP。サマーブレイク前最後のレースとなるが、全22戦のシーズンは既に後半に突入している。現在コンストラクターズランキング3番手のメルセデスは、レッドブルやフェラーリに追いつくべく、ここハンガリーでもマシンに微調整を加えている。
ハンガロリンクはF1が開催されるサーキットの中でも特に低速・中速域のコーナーが多く、要求されるダウンフォースレベルは高い。メルセデスはこのレースに向けて新パーツだけでなく、ニーズに合わせて旧パーツも投入している。
まずマシンのフロントを見てみると、メルセデスはタイヤにより荷重がかけられるフロントウイング、つまりダウンフォース量の多いフロントウイングを持ち込んできている。これまでは空気抵抗を減らすために上部のエレメント(矢印)を外していたが、今回はダウンフォース重視ということでそのエレメントも装着されている。
メルセデスW13のフロントウイング
Photo by: Giorgio Piola
マシンの前後バランスを保つために、彼らはリヤウイングもハイダウンフォース仕様に戻している。ただこれは完全な旧仕様ではなく、今回のレースに向けてその効果を最大限発揮するために若干の仕様変更が行なわれている。(丸で囲われた箇所)
メルセデスW13のリヤウイング
Photo by: Giorgio Piola
厳しい予算制限の影響もあって、彼らは全く新しいアセンブリを製造したわけではない。そのためよく見ると、新旧それぞれのパーツを縫い合わせるようにリベット留めした“手術痕”が見て取れる。
また、リヤウイング下部のビームウイングにも変更が加えられた。ダウンフォースを稼ぐためにさらに角度がつけられ、それに応じてバランスを取るための措置が講じられている。
メルセデスはその他にも、とあるパーツを復活させた。それがヘイロー(HALO)の上部にあるブーメラン型のウイングレットだ。このウイングレットは2018年にヘイローが導入されて以来、マシン後方への気流を整流するために多くのチームが採用してきたものだ。
Mercedes W13 Halo boomerang winglets (W12 inset)
Photo by: Mercedes AMG
メルセデスは昨シーズンを通してこのような形状のウイングレットを使用していたが、今季の前半戦では一切使用されなかった。おそらく、当初の空力レイアウトにおいてはパフォーマンス上のメリットがないと判断していたのだろう。
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