チームメイト”衝突”にどう対処? メルセデス代表「セナと戦ったプロストに助言を得た」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、チームメイト同士のライバル関係に対処するため、アラン・プロストに対してアイルトン・セナと組んでいた時のことを尋ねたことがあると明かした。

2014年に現行の”ハイブリッド時代”が始まってから、圧倒的な強さを誇り続けているメルセデス。先日行なわれたエミリア・ロマーニャGPでは、前人未到の7年連続F1コンストラクターズタイトルの獲得を決め、チームのドライバーであるルイス・ハミルトンも、早ければ今週末のトルコGPで、ミハエル・シューマッハーが持つ7回というドライバーズチャンピオン獲得記録に並ぶことになる。
このチームを2013年から率いているのが、トト・ウルフである。ウルフ代表はこの間、ふたりのドライバーの関係をマネジメントすることに腐心してきており、現在のハミルトンとバルテリ・ボッタスのコンビは、それが成功している一例だと言えよう。チームはふたりを平等に扱い、衝突が起こらないように務めてきたのだ。
このウルフ代表は、現在の職を引き受けた直後、4度のチャンピオン経験者であるアラン・プロストと話をしたという。プロストは現役時代、アイルトン・セナと激しいチームメイトバトルを繰り広げたことでも知られている。ウルフ代表は、その当時のことをプロストに尋ねたというのだ。
「メルセデスでの仕事を始めた最初の頃、アラン・プロストさんと話をしたのを覚えている」
ウルフ代表はそう語った。
「私は彼に、こう尋ねたんだ。『あなたとセナの間では、何が悪かったのか?』とね」
「彼は『時々、チームからのサポートがあるのかどうか分からなかったことがある』と言っていた。常に政治的な問題が関わっていたしね」
「私は、そのチームに関わっていたわけじゃないから、それが本当かどうかは分からない。間違いなく、彼らは素晴らしい時代を作り上げたけどね」
「でも我々は、政治的な争いはしない。外に向けては、もちろん政治をする。でも、チーム内部でそれをすることを、私は決して許さない」
「透明性を確保し、お互いに正直であること、人ではなく問題を非難すること、そして力を与えることは、我々にとって最も重要な価値観なのだ」
「だからこそ、ここは良い場所であり、楽しい場所だ。しかし前進する力がある場所でもある」
プロストとセナは、1988年と1989年にマクラーレン・ホンダのドライバーとしてコンビを組んだ。しかし、ふたりの関係は徐々に悪化。1988年にはセナがチャンピオンに輝き、翌年は悪名高き日本GPのシケインでの同士討ちにより、プロストがタイトルを奪還することになった。
しかしプロストは、この1989年限りでマクラーレンを離脱し、フェラーリに加入。1990年シーズンには再びセナとのタイトル争いを繰り広げ、決着はまたも鈴鹿……スタート直後の1コーナーで2台が絡み、両者リタイア。セナが2度目のドライバーズチャンピオンを手にした。
メルセデスがふたりのドライバーをマネジメントするのに苦しんだのは、2014〜2016年にかけてだろう。ハミルトンとロズベルグが毎年激しいタイトル争いを繰り広げ、2014年と2015年はハミルトンがチャンピオンに。しかし2016年にはロズベルグがタイトルを奪った。
しかしロズベルグが2016年限りでチームを離れ、後任としてボッタスが加入した後は、真の意味でハミルトンを苦しめることはできておらず……ふたりのドライバーを平等に扱うことに苦しむ……そんなシーンは少なくなった。
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