ケーシー・ストーナー、不安障害の診断。現役時には「死にたくなっていた」と不安定な精神状態も暴露
MotoGPで2度の王者であるケーシー・ストーナー。彼はそのキャリア終盤に精神的に不安な状態にあり、大きく影響があったことを明かした。
写真:: Ducati Corse
2007年にはドゥカティにMotoGPで初のタイトルをもたらし、2011年にもホンダで王者に輝いたケーシー・ストーナー。彼は弱冠27歳という若さで引退することを選んだが、キャリア終盤には精神面に問題を抱えていたことを明かした。
ストーナーはポッドキャスト番組のGypsy Talesの中で、MotoGPキャリアの中ではセッションの間にはモーターホームの床に横たわっていたこと、そして「良い週末を過ごすほど、より死にたくなった」という心境にあったと語っている。
彼は最近になり、不安障害と診断されたという。そして当時からこの事を知れていれば、もっと簡単に対処できたかもしれないと語った。
「不安障害だと診断を受けたのは、凄く最近のことなんだ。実際、そうなんだとは知らなかった」
「正直に言って、僕はそういうのは……なにかストレス疲れの別の言い方だと思っていた。誰であれストレスを溜めているからね」
「僕自身の背に乗っかっている不安さえもそうだと思っていた。今では背中にあるそうしたモノを感じられるよ」
「このことを知っていれば、僕のキャリアも楽になっていたかもしれないし、状況により良く対処できたかもしれない。僕はメディアや周囲に少し閉鎖的だという良くない評判もある。それは僕がそういったモノを快適に感じられたことが一度もないからだ。人混みも苦手だったよ。そういう面も含めてね」
「そしてレースの日には……文字通り何年もの間、そしておそらくMotoGPでの最後の2年間は良い週末になればより、死にたくなっていた」
「文字通りモーターホームの床で病気の犬のように丸くなっていたし、胃が締め付けられるような感じだったんだ」
「レースをしたくなかった。これ以上悪くなることはない、これ以上不安なことはないという気持ちだった」
「チームや助けてくれている皆、その他全てからプレッシャーを感じていた。チームには70人ものメンバーがいて、特にナンバーワンライダーともなれば、誰もが毎週勝つことを期待している。そして、そうしたモノが僕に積み重なっていた」
「そしてキャリアを終えた後になってから、僕はなぜそうまで苦しかったのかに気がついたんだ」
「それでここ数年は、あるちょっとした“マントラ“(真言/仏教などにおける短い祈りの言葉)に助けられている。”自分にはできることしかできない。それ以上のことはできない”というモノだ」
またストーナーは長年、原因が不明ながら倦怠感に襲われる慢性疲労症候群という病気と戦ってきたことを、2019年に明らかにしている。MotoGP参戦中の2009年には既にこの症状に悩まされており、当時は3レースを欠場した。
不安障害と慢性疲労症候群の関連性はまだ明らかになっていないが、ストーナーは過去の自分の対処メカニズムが、現在の不調にも影響を与えているのではないかと語っている。
「僕の体が対応できていないことの原因の一部だと思う。原因は正確には分かっていないから、断言することはできないけれど、体が壊れてしまっていることの大きな要因だと思う」
「僕は何でもスイッチを”オフ”にするのが凄く上手かった。どんなに悪い状況でも、どんなに緊張していて、うんざりしていても、僕はそれを棚上げして、とにかくやるように自分を操るのが凄く上手だったんだよ」
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