元F1ドライバーでル・マン勝者……“4人目のカズキ”登場でTEAM IMPULも大興奮?「皆たくさん吸収してほしい」と星野一樹監督
スーパー耐久の富士24時間レースで、中嶋一貴が加入したTEAM IMPUL。星野一樹監督は、チームの若手ドライバーにとっても良い刺激になると語った。
写真:: Masahide Kamio
TEAM IMPULに“4人目のカズキ”がやってきた。平峰一貴、大木一輝、星野一樹という3人の“カズキ”を擁してスーパー耐久を戦う同チームは、第2戦富士24時間レースのFドライバーに中嶋一貴を起用。国内外で活躍したトヨタのトップドライバーであり、今もTOYOTA GAZOO Racingで要職に就く中嶋が、日産のGT4車両である『ナニワ電装TEAM IMPUL Z』をドライブすることになったのだ。
このオファーは、TEAM IMPULのDドライバー兼監督で、「モータースポーツを盛り上げたい」という思いを持つ星野が、Twitterで中嶋に呼びかけたことがきっかけ。実際に富士24時間に向けて帰国することが決まった中嶋がオファーを受け、トヨタ、日産双方もそれを快諾したという形で、まさにメーカーの垣根を超えての実現となった。
星野は残念ながら体調が万全でないこともあって今週末のドライブを見送る模様で、星野のスーパーGT引退レースである2021年最終戦富士でのパレードランのような「“ダブルカズキ”が同じクルマに」の再来とはならない見込みだ。とはいえ、中嶋の参加はチームメンバーにとって非常に大きな意味を持つと星野は考えている。
星野の引退レースで“ダブルカズキ”が顔合わせ
Photo by: Masahide Kamio
中嶋は元F1ドライバーであり、ル・マンを3連覇してFIA殿堂入りを果たした、文字通りのレジェンド。平峰、大木、石川京侍といったチームの若手メンバーにとって中嶋は、自分たちが幼少期・10代の頃から第一線で活躍していた存在なのだ。
「みんなめちゃくちゃ興奮してました」と星野は言う。
「中嶋一貴さんがチームメイトとして来てくれることは、良い刺激になっていると思います。ル・マンウィナーで元F1ドライバーから学ぶことは、1セッション1セッション計り知れないと思います」
Photo by: Masahide Kamio
「(若手ドライバーには)たくさん吸収しろ、聞きたいことはなんでも聞けと言っています。1レースだけですが、こうやって組める時間を大切に使ってほしいですね」
25日(木)午前の専有走行でZに乗り込んだ中嶋は、チームに対して様々なフィードバックをしていたようだ。「フィードバックもさすがで、僕らの開発にも貢献してくれると思うし、助かりますね」と星野も言う。
当の中嶋は、Z GT4を以前乗ったスープラ GT4と単純比較することはできないとしつつ、次のように語った。
Photo by: Masahide Kamio
「僕自身スープラのGT4に乗る機会もありましたが、場所も違うしタイヤも違うしで直接比較できません。ただ、思った以上にパッと乗って乗りやすかったですね。チームもまだまだ改善途中とのことですが、ここに持ってきたパッケージとしてはすこぶる乗りやすいなと感じました。色んなパーツが市販車そのままの状態でレーシングカーに仕立て上げられているので、GT4らしいなと」
「GT4というカテゴリーは誰でも乗れる……というと語弊があるかもしれませんが、GT3と比べてもマイルドで、すごく楽しいカテゴリーだと思います。僕もGT3だったらいきなり乗ろうとは思わないですね(笑)」
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