アストンマーチン、DTM参戦継続は絶望的か。HWA所有の旧マシンでレースはできる?
アストンマーチンのDTM車両は、現在HWAが所有しているが、このマシンでレースをするためには、多くのハードルが残っている。
Paul Di Resta, R-Motorsport, Aston Martin Vantage AMR
Mario Bartkowiak
2019年に、パートナーであるR-モータースポーツを介してDTMに参入したアストンマーチン。しかし、R-モータースポーツの撤退により、アストンマーチンのDTM参戦継続が危機に瀕している。
アストンマーチンは、DTMおよびスーパーGTで採用されているClass1規則に則ったヴァンテージを製作、運用するための独占ライセンスをR-モータースポーツに与えていた。
R-モータースポーツはエンジンビルダーとしてHWAと提携していたが、2019年末に両者は関係を解消。そしてR-モータースポーツは1月25日にDTMからの撤退を発表した。
HWAとR-モータースポーツは、香港のバイヤーにヴァンテージDTMを販売することに同意していたが、 香港の政情が不安定なこともあり、取引は成立しなかったようだ。
結果として、現在マシンはHWAの所有物となっている。こうした状況から、かつてメルセデスと共にDTMに参戦していたHWAが、ヴァンテージを使って独自にDTMに参戦する可能性が生まれた。
DTMを運営するITRのゲルハルト・ベルガー会長は、アストンマーチンが何らかの形でシリーズに参戦継続することを望んでいる。彼はHWAと、その件について話し合いを行なったと考えられている。
HWAのCEOであるウルリッヒ・フリッツは、motorsport.comに次のように語った。
「当然、我々はベルガー氏とITRと共に、ドイツのモータースポーツにおける重要なプラットフォームであるDTMで、どのように物事を続けていくかについても考えている」
しかし、ヴァンテージがDTMで復活するには、アストンマーチンが許可を出す必要がある。
motorsport.comがアストンマーチンの広報担当に、ヴァンテージがDTMでレースできるかどうかを尋ねると、「アストンマーチンがDTMシリーズのワークスサプライヤーになる予定はありません」との返答があった。
ヴァンテージのDTM車両を少なくとも3年以上使用する独占ライセンスを持っているのはR-モータースポーツであることから、さらに状況は複雑だ。したがってHWAが計画を進めるためには、アストンマーチンに加えてR-モータースポーツの許可を得なければならない。
R-モータースポーツのフロリアン・カメルガー代表は、「アストンマーチンがこのライセンスを他の誰かに与えるために我々と話したいなら、間違いなく連絡してくるだろう」と、motorsport.comに語った。
「我々は日々連絡を取り合っている。過去数週間の出来事について多くの議論が行なわれたが、(ライセンスについて)議論されたことはなかった」
また、HWAが所有しているヴァンテージは、すぐにレースができるような状態にない。エンジンは昨シーズン終了後から開発が進められていないだけでなく、1シーズン戦えるようなライフは残っていない。さらにHWAはR-モータースポーツとの契約解消後に人員整理を行なっており、レースチームを復活させるにも時間が必要だ。
「エンジンの残り寿命は、DTMのフルシーズンを戦うには十分ではない」と、フリッツは話した。
「したがって、(HWAが所有するマシンは)コレクションやただサーキットを走るだけなら確かに素晴らしいが、DTMでのレースにはもはや適していない」
「プロジェクトが存在しなくなったため、エンジンパーツは調達しなかったし、年末に人員を削減した」
5台のヴァンテージDTMは、新しいバイヤーが見つかるか、R-モータースポーツおよびアストンマーチンと何らかの取引が行なわれるまで、HWAが所有することになる。
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