
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
F1メカ解説:バーレーンテスト編Part2|徐々に見えてきた2023年マシンのディティール
バーレーンで行なわれたF1プレシーズンテスト。各車の興味深いディティールが見えてきた。

バーレーンで行なわれたF1プレシーズンテスト。各チームの新車が白日の下に晒され、これまで分からなかった細かい部分の違いも徐々に見えてきた。
各チームはセッション開始直後、マシンにエアロレーキ(空力測定用のリグ)をつけて定速走行を実施した。
エアロレーキには、圧力差からその周辺の気流速度を測定するキールプローブが並べられており、その計測データをもとにシミュレーションツールとの相関性を確認している。

Mercedes W14
Photo by: Giorgio Piola

McLaren MCL60 detail
Photo by: Giorgio Piola
エアロレーキ自体も、チームがどこのデータを測定したいかによって様々な形状のモノが登場した。例えばメルセデスのW14は後輪前方、コークボトル部分にレーキを設置。等間隔にキールプローブが並べられている。
マクラーレンMCL60のレーキは、少なくとも今回はやや幅広なものとなっており、サイドポンツーンやインダクションポッド周辺の気流を計測。レーキの骨組み自体も、メルセデスとは違ったデザインとなっている。

Alpine A523 rear wing detail
Photo by: Giorgio Piola
アルピーヌは、今シーズンに向けてリヤを大幅に変更してきた。サスペンションはプルロッド式からプッシュロッド式に変更されているが、これはパッケージングや空力的な選択から決定されたものだ。
この写真のアングルでは、衝撃吸収構造の上部に取り付けられたサスペンションや、リヤのクーリングアウトレットの内部を見ることができ、またビームウィングの配置、ディフューザーのコーナーが放射状になっていることも確認できる。
リヤウイングピラーの根本には、温度測定テープが貼られており、この部分の温度をモニターするのに役立っている。
テスト2日目、かなり目を引いたのはレッドブルRB19のフロービズペイントだ。これはエアロパーツが意図している通りに機能し、きちんと気流が流れているかを確認するために塗られる塗料だ。
RB19のフロントサスペンションアームから、シャシー側面、サイドポンツーン下部へと気流が見事に流れているのが確認できる。

Alfa Romeo C43 detail
Photo by: Giorgio Piola
こちらはサイドポンツーンとエンジンのカバーを外したアルファロメオC43。ラジエーター、クーラー、電子機器などの内部コンポーネントがいかにパッケージングされているかを見ることができる。
ラジエーターより後ろに大きなスペースが残っており、ボディワークが装着された際には空洞が生まれることになるだろう。これはC43の排熱に余裕があることを示唆するだけでなく、車体の外形が空力的な理由で形成されているということを示している。

Lewis Hamilton, Mercedes-AMG
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
この写真からは、メルセデスW14のデザインのいくつかの側面を理解することができる。
フロントサスペンション周辺が、くさび形に形成されていることが分かるだろう。これは後方気流を下方向に導く意図があると思われる。
サイドポンツーンの開口部はより四角く、上部はより広くなっている。またその角はボディワークと調和し、独自路線のサイドポンツーンを形成している。
興味深いことに、W14のボディワークが細かく分割されていることもこの写真から分かるだろう。これはこのボディワークが高いモジュール性を持っており、今後予定されているアップデートが比較的容易に実現できることを意味している。
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