インディカー第3戦テキサス:前年王者ディクソン、新人マクロクリン抑え貫禄の勝利、佐藤琢磨は9位
インディカー・シリーズ第3戦テキサスでは、スコット・ディクソンが今季初勝利を挙げた。佐藤琢磨は9位に入り、2戦連続のトップ10フィニッシュとなった。
写真:: Michael L. Levitt / Motorsport Images
2021年インディカー・シリーズの第3戦がテキサス・モータースピードウェイで行なわれた。優勝したのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。
今季の数少ないオーバル戦のひとつであるテキサス。ダブルヘッダーの1レース目となるこの第3戦は、雨で予選がキャンセルされた影響で、ポイントリーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)がポールポジションとなり、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、ディクソン、コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)らが続く形で212周のレースがスタートした。
3周目には早くもディクソンがパロウを交わしてトップに浮上。ディクソンは徐々に後続との差を広げていき、40周目には2番手パロウに1秒、3番手パワーに3秒の差をつけていた。
56周目にはジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)に追突されたセバスチャン・ブルデー(A.J.フォイト・エンタープライズ)のマシンがウォールにクラッシュするという事故が発生した。ブルデーのマシンは後ろ向きに強い衝撃を受けたが、本人はメディカルチェックを受け、第4戦の出場が許可された。
このクラッシュによるコーションが出る直前にアンダーグリーンでピットに入ってしまったパワーは順位を下げ、ディクソンをパロウ、ハータらが追いかける展開となったが、ディクソンは彼らに対して大きな差をつけていった。そしてレース終盤のピットストップで2番手以下の序列に変化があり、150周が終了する頃には2番手がフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロー・マクラーレンSP)、3番手がスコット・マクロクリン(チーム・ペンスキー)に変わった。
161周目、ジェームス・ヒンチクリフ(アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート)がそのローゼンクヴィストに周回遅れにされる際、乱流に巻き込まれてクラッシュしたため、各車はピットレーンオープンと共にピットに駆け込んだ。しかし、ローゼンクヴィストはここでタイムをロスしてしまい後退。トップのディクソンの後ろにはマクロクロン、パトリシオ・オワード(アロー・マクラーレンSP)が続く形でリスタートを迎えた。
マクロクロンは最後までディクソンに食らい付いたが、ディクソンはそれに動じず、そのままトップチェッカー。212周中206周をリードするという完勝であった。ただひとり開幕3戦全てでトップ5フィニッシュとなったディクソンは、これでランキング首位に浮上した。
昨年までオーストラリアのスーパーカーで絶対王者として君臨していたマクロクロンは、インディカーフル参戦1年目、しかも初のオーバルで2位表彰台を獲得してみせた。3位以下はオワード、パロウ、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)と続いた。終盤まで5番手を走っていたハータは右リヤのブレーキから火が出るトラブルに見舞われ22位に終わった。
なお、12番グリッドからスタートした佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は安定してトップ10圏内を走行。リスタートを10番手で迎えると、ハータの脱落により9位でフィニッシュした。これで佐藤は2戦連続のトップ10フィニッシュとなった。ランキングは11番手だが、3番手のパワーから14点差と僅差だ。
順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | 差 | Mph |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | スコット ディクソン | Chip Ganassi Racing | 212 | 1:45'51.341 | 173.036 | |
2 | Scott McLaughlin | Team Penske | 212 | 1:45'51.606 | 0.264 | 173.028 |
3 | パトリシオ オワード | Arrow McLaren SP | 212 | 1:45'53.122 | 1.780 | 172.987 |
4 | アレックス パロウ | Chip Ganassi Racing | 212 | 1:45'54.197 | 2.856 | 172.958 |
5 | グラハム レイホール | Rahal Letterman Lanigan Racing | 212 | 1:45'57.945 | 6.604 | 172.856 |
6 | ジョセフ ニューガーデン | Team Penske | 212 | 1:45'59.244 | 7.903 | 172.821 |
7 | ジャック ハーベイ | マイケル・シャンク・レーシング | 212 | 1:45'59.846 | 8.504 | 172.804 |
8 | アレクサンダー ロッシ | アンドレッティ | 212 | 1:46'00.931 | 9.589 | 172.775 |
9 | 佐藤 琢磨 | Rahal Letterman Lanigan Racing | 212 | 1:46'01.407 | 10.065 | 172.762 |
10 | シモン パジェノー | Team Penske | 212 | 1:46'01.768 | 10.427 | 172.752 |
11 | トニー カナーン | Chip Ganassi Racing | 212 | 1:46'03.360 | 12.018 | 172.709 |
12 | エド ジョーンズ | Dale Coyne Racing with Vasser Sullivan | 212 | 1:46'03.920 | 12.578 | 172.694 |
13 | フェリックス ローゼンクヴィスト | Arrow McLaren SP | 212 | 1:46'04.289 | 12.947 | 172.684 |
14 | ウィル パワー | Team Penske | 212 | 1:46'05.696 | 14.354 | 172.645 |
15 | ピエトロ フィッティパルディ | Dale Coyne Racing with RWR | 212 | 1:46'06.392 | 15.050 | 172.626 |
16 | ライアン ハンター-レイ | アンドレッティ | 212 | 1:46'08.835 | 17.493 | 172.560 |
17 | エド カーペンター | Ed Carpenter Racing | 212 | 1:46'11.235 | 19.893 | 172.495 |
18 | Dalton Kellett | A.J. Foyt Enterprises | 212 | 1:46'15.298 | 23.956 | 172.385 |
19 | マーカス エリクソン | Chip Ganassi Racing | 211 | 1:46'06.957 | 1 Lap | 171.797 |
20 | Rinus van Kalmthout | Ed Carpenter Racing | 211 | 1:46'12.124 | 1 Lap | 171.658 |
21 | コナー デイリー | カーリン | 211 | 1:46'16.691 | 1 Lap | 171.535 |
22 | Colton Herta | アンドレッティ | 190 | 1:37'20.280 | 22 Laps | 168.649 |
23 | ジェームズ ヒンチクリフ | Andretti Steinbrenner Autosport | 158 | 1:15'50.871 | 54 Laps | 179.981 |
24 | セバスチャン ブルデー | A.J. Foyt Enterprises | 55 | 22'53.581 | 157 Laps | 207.574 |
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