ル・マン24時間は『特別』。9月開催がムリなら、11月まで延期の可能性も
9月に開催が延期されたル・マン24時間レースだが、再度スケジュールが変更されたとしても、11月までは開催が可能だという。
フランス西部自動車クラブ(ACO)は新型コロナウイルスの流行を受けて、FIAや世界耐久選手権(WEC)と協議した上で、ル・マン24時間レースの開催日程を例年の6月から9月19〜20日へ延期すると発表した。
ACOのプレジデントであるピエール・フィヨンは、レースが9月に開催できない場合、観客の有無に関わらず11月まで開催日程をずらす用意があることを明かした。
「もし7月末に、当局が『9月開催は不可能だが、10月または11月なら100%可能だ』と我々に言ってきたとしたら、間違いなくそれに従うだろう」とフィヨンは語った。
「我々が慣れ親しんでいる24時間レースとは違うが、我々はプロであり、素晴らしいドライバーが集まっている。昨年は雪の降る中、スパで走ったしね!」
WECは4月初旬に今後の暫定スケジュールを発表。8月15日にスパ6時間レース、9月のル・マンを挟んで、11月21日のバーレーン8時間レースをシーズン最終戦とするとしていた。しかしWECのジェラール・ヌブーCEOは、ル・マンを中心にカレンダーを考えるべきだと話した。
「言うまでもなく、ル・マンは全てのスポーツカー・プログラムの中心的な柱だ」
「”家”を守りたいなら、その大黒柱を守らなくちゃいけない。例えいくらか損害があっても、まずはその部分を守らなくちゃいけないんだ。それが未来を保証することにつながる」
「ル・マンを他の一般的なレースと同じように扱うわけにはいかない。ル・マンは例外的な存在なんだ。だが世界的なプラットフォーム、チャンピオンシップについて話をする時は少し状況が異なる。だがル・マンはル・マンであり、エベレストのようなものなんだ」
フィヨンは、史上初めてル・マンが無観客レースとして実施される可能性は否定できないと話したが、状況は非常に流動的だとも考えている。
「ああ、(無観客開催は)選択肢のひとつだ」と、フィヨンは付け加えた。
「実際、現時点で9月に何が起こるかは誰にもわからない! ツール・ド・フランス やローランギャロス(テニスの全仏オープン)など、フランスでは開催が予定されていた大きなイベントが多くあった」
「問題は、来場者が10万人を超えるイベントを我々が実施できるのかどうかだ。その答えは分からない」
「(エマニュエル・マクロン)大統領のコメントを聞く限りでは、7月半ば以降に何らかのイベントを行なうことができるかもしれないが、ドイツの状況を見ると8月いっぱいは何もできない。ミュンヘンでの大きなイベント(9月19日〜10月4日開催のオクトーバーフェスト)が中止されているし、誰にも分からないんだ」
ACOがイベント実施に向けて、どのようなコロナ対策を検討しているのかについて、フィヨンは3つの選択肢を明かした。
「まずひとつは、ファンと共にイベントを実施することが許可された場合だ。おそらくマスク着用などの制約を設けるかもしれない」
そうフィヨンは語った。
「ふたつめの選択肢は、イベントの参加人数を5千人以下にすることだ。テレビ放送には適しているが、観戦したいファンにとっては良くない。そして間違いなく、これは本当のル・マンではない。ル・マンはただのレースではなく、観客全員が体験するものなんだ」
「もう一つは、ル・マン24時間レースの実施が全く不可能というケースだ。言うまでもなく、それが選択肢に残らないことを願っている! しかし、現時点ではその可能性を除外できない」
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