スーパーGT、GT300クラスのサクセスウエイト規則が変更。最大ウエイト80kg、搭載量の計算式はGT500と統一に

スーパーGTが2024年のスポーティングレギュレーションを発表。サクセスウエイト制など、いくつかの箇所で変更が加えられた。

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 2月9日、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションが2024年版のスポーティングレギュレーション(SpR)を公示。前年のレギュレーションと比較すると、いくつかの変更点が見られる。

 今シーズンの規則変更で最も大きなものは、タイヤの持ち込みセット数削減に伴う予選方式の変更だ。今季からQ1、Q2(と決勝ファーストスティント)を通して同じタイヤを履く必要があり、予選順位はQ1とQ2の合算タイムを基に決定されると発表されたのは既報の通りだが、まだ詳細な規則について協議中の部分もあり、その辺りについては確定次第ブルテンという形で公示されることになっている。ただ、競技期間中に持ち込めるタイヤのセット数がドライタイヤ4セット、ウエットタイヤ5セット(共に300kmレースの場合)となった点などは、既に変更箇所としてSpRに反映されている。

 それに次いで大きな変更と言えるのが、GT300クラスにおけるサクセスウエイト制だ。

 スーパーGTでは競技成績に応じて車両性能を引き下げる「サクセスウエイト制」が導入されており、ドライバーが獲得した選手権ポイントによって追加ウエイトが加算されることになっている(GT500クラスは燃料流量リストリクターとの併用)。その計算式は昨年まで、GT500が「累積1ポイントあたり2kg」、GT300が「累積1ポイントあたり3kg」となっていたが、今季からGT300もGT500と同じ「1ポイントあたり2kg」になる。GT300がこの計算式となるのは2019年シーズン以来となる。

 加えて、今季からはその上限にも変更が加えられる。昨年までサクセスウエイトの上限はGT500、GT300共に100kgとなっていたが、これがGT300のみ80kgに引き下げられる。

 昨年までは1勝するだけで60kgものウエイトを積むことになっていたGT300だが、搭載ウエイトが増加するペースは緩やかとなる。ただその分上限が引き下げられたため、シーズン中に最大ウエイトに到達するチームが複数出てくる可能性も高いだろう。

 また、シリーズの参戦枠についても若干の変更があった。スーパーGTに参戦できる車両の総数は45台であり、その内2枠が海外からの「インターナショナルチーム」の枠となっているが、近年はコロナ禍の影響もあって参戦がない状態が続いている。そして今季からは「インターナショナル・チームが不参加の場合、GTAが保有する2枠のインターナショナル枠のうち1枠をGTAおよびGTE(GTエントラント協会)が承認した国内エントラントが使用できる」と記載された。ただし当該チームは、最大出走台数43台以下に設定された大会には参加できない。

 その他、レースが途中終了になった場合のピットイン義務不履行に対する処遇(2周以上かつレース距離75%未満で終了なら義務免除、75%以上なら1周減算)、セーフティカー中のピット作業など、昨シーズン中にブルテンとして新たに記載された箇所が、2024年のSpRにも反映されている。また昨年のSUGO戦ではピットインしようとするマシンとそれを追い抜こうとするマシンが交錯して事故が発生したが、2024年版の「GTAドライビング・モラルハザード防止制度」のガイドラインには「全セッションにおいて、必ず方向指示器を使用し、走行ラインを外して後続車にピットインの合図を出すこと」という箇所が追加されている。

 

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