WEC 富士6時間

ロッシとバトンが餅投げるってすごくない? 富士で垣間見えたWEC”黄金時代”の到来

多くのファンが集まり、盛り上がりを見せているWEC第7戦富士。予選後には、実に豪華な顔ぶれでトークショーが行なわれた。

The driver talk show

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写真:: Motorsport.com / Japan

 世界耐久選手権(WEC)第7戦富士は、走行初日から多くのファンが来場。WEC黄金時代の到来を感じるほどの盛り上がりを見せている。

 2021年から、WECは新時代に突入。新たな規定(LMH)のマシンが参戦できるようになった。2023年からはLMDh規定の車両の参戦も可能となり、トヨタだけが最高峰クラス唯一のマニュファクチャラーとして孤軍奮闘していた冬が終わり、一気に彩りが豊かになった。

 それでも、昨年の富士ではそれがしっかりと人気に反映されていたとはいえず、トヨタのチーム代表を務める小林可夢偉は、「もっと盛り上げたい」と話していた。

 だが2023年から参戦を開始したフェラーリとトヨタの争いが激しくなり、今季はそこにさらにポルシェが加わったことで、WECのレースは間違いなく面白くなった。フェラーリとポルシェが本気で勝ちに来る、トヨタがそれを迎え撃つ。これまでとはまるで別物だ。

 フリー走行で様々なマシンが走るのを目の当たりにし、その魅力をSNSに投稿しているファンも、今年は例年以上に多かったように感じる。

 当然ながら、参戦しているドライバーも豪華なラインアップとなっている。LMGT3クラスも含めて、それぞれのドライバーの実績を並べたらキリがない。その中でも、今回の富士では二人のドライバーが大きな注目を集めている。ジェンソン・バトンとバレンティーノ・ロッシだ。

 元F1ドライバーのバトンは、スーパーGTで王者に輝いたこともあり、日本のモータースポーツファンにもお馴染みだが、富士でのレースは5年ぶり。多くのファンが彼のサインをもらおうと、ハーツ・チームJOTAのパドックで列をなした。

 ロッシは言わずもがな、MotoGPのレジェンドライダー。2021年にMotoGPを引退した後、4輪レースに転向。今季からチームWRT46号車BMWのドライバーとして、WECに参戦している。

 2021年のMotoGP日本GPがコロナ禍で開催できず、彼のラストランが見られなかっただけに、今回パドックやピットウォーク、サイン会でのロッシ人気は凄まじかった。

 そんな二人が、トヨタの小林や平川亮、ポルシェのアンドレ・ロッテラー、フェラーリのアントニオ・フォッコとトークショーを行ない、”餅投げ”をすると聞いたからには取材に向かわずにはいられなかった。

 予選後のイベント広場に到着すると、これまでにないほど多くのファンが集まり、イベント広場は限界に近い半径の人垣を成していた。特徴的な蛍光イエローのロッシグッズを纏ったファンも、その中に多く混じっていた。

 トークショーでは、ロッテラーや小林、ロッシが”ロッポンギ”をキーワードにジョークを飛ばしあったりして終始会場を笑わせていた他、ドライバーたちが2組に分かれて子供たちと玉入れ(みなさんが運動会で経験したものと同じだ)をしたり、ここでしか見られないような特別イベントとなっていた。

 イベントの告知を見た時には、面白い写真が撮れそうだとは思ったものの、実際にそれを目の当たりにして「今のWECはすごいことになっている」と心底実感するとは思ってもみなかった。一緒に玉入れをした子供たちや、投げられた餅をキャッチしたファンには特別な思い出となったことだろう。

 決勝では、このイベントとはまた違った、レース本来の魅力が存分に見られるはずだ。

 
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