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全部同じじゃないですか!? 『クリソツな』F1マシン5選!!

F1マシンは各チームがレギュレーション内で速さを追求していく中で、同じようなソリューションへ収斂していくことがあり、結果として一見して“同じような”マシンとなることがある。しかし、それ以上に瓜二つのマシンも存在する。今回は特に似通っているF1マシンを紹介しよう。

Mercedes-Racing Point Comparison Cover

■クリソツすぎて規制一直線…”ピンクメルセデス”RP20

 近年で最もそっくりだったF1マシンは何か? その問には間違いなくこのマシンが出てくるはずだ。

 RP20は2020年にレーシングポイントが投入したマシン。スポンサーを務めるBWTのピンク色が目を引くが、それ以上に特徴的なのは、このマシンが2019年のチャンピオンマシンであるメルセデスW10と酷似していることだ。

 RP20はそのそっくり具合から“ピンクメルセデス”と揶揄もされたが速さはホンモノ。シーズン1勝を含む4回の表彰台を記録した。

 レーシングポイントは、RP20をデザインするにあたって、メルセデスW10に対してリバースエンジニアリング(他者のデザインや製品を観察・解析したりすることで、自身の技術に活かすこと)を行なったと主張していた。

 ライバルからの訴えにより、RP20はブレーキダクトの主な設計がメルセデスであると認定。結果としてコンストラクターズポイント15点の剥奪と罰金刑が下された。

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 そしてF1マシンのコピー問題そのものにも波及。F1はコピーの蔓延を防ぐため、リステッド・パーツ(コンストラクター自らが設計・製造しなければならないパーツ)のリバースエンジニアリングを禁ずることを決めるなど、結果として大きな問題となった1台だ。

 なお最終的な成績でレーシングポイントは、195ポイントを獲得しコンストラクターズランキング4位となった。前述の剥奪がなければ、3位に食い込む速さだったのだ。

■またお前か! レーシングポイント後継アストンマーチンAMR22

 2021年にレーシングポイントからアストンマーチンへと姿を変えたチームだが、彼らはまたもF1を騒がせた。2022年のF1マシン、AMR22がレッドブルのRB18と酷似していたからだ。

Lance Stroll, Aston Martin AMR22
Max Verstappen, Red Bull Racing RB18
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 テクニカルレギュレーションに大きな変更のあった2022年。アストンマーチンは第6戦スペインGPで大型アップデートを投入すると、AMR22のサイドポンツーンはレッドブルRB18に酷似していた。

 グリーン・レッドブルとも揶揄されたこのマシン。前身のレーシングポイント時代の”やらかし”によってコピー規制は強化され、FIAは事前に調査を実施しており、レギュレーション違反は無しとお墨付きを付与。この年は大手を振って戦うことができた。

 ”パクられた”側のレッドブルは知的財産の流出を疑うなど場外戦は続きそうだったが、最終的にレッドブルは追求を断念している。

 このAMR22はアップデートが施された後は急速に戦闘力を増していったが、序盤の出遅れが響いて最終成績はコンストラクターズランキング7位だった。

 AMR22の後継マシンである2023年のAMR23は開幕から威力を発揮。開幕5戦で4回の表彰台を獲得している。

■ホンダ支援で”カスタマーカー”へ……スーパーアグリSA07/SA08

Takuma Sato, Super Aguri SA07-Honda
Rubens Barrichello, Honda RA106

 元F1ドライバー鈴木亜久里が立ち上げたスーパーアグリ。SA07/SA08は2006年からF1に参戦を開始した彼らの2台目、3台目のマシンだ。

 2007年のマシンであるSA07は、当時F1第3期活動でフルワークス体勢で参戦していたホンダの2006年型マシンであるRA106とそっくりなのだ。

 スーパーアグリは立ち上げ当初からホンダと提携しており、それはエンジン供給に限ったことではなかった。スーパーアグリはRA106の情報も活かしつつSA07の開発を行なった。1勝を含む表彰台3回獲得のマシンをベースにできたことは、スーパーアグリにとっては大きなアドバンテージだった。

 ただ生き馬の目を抜くF1の世界では当然のように、SA07はライバルから問題視されることに。コンコルド規定で禁じられているカスタマーシャシーではないかと指摘されたのだ。

 ただ最終的にFIAは不問とし、ポイント剥奪も無し。主にシーズン前半に活躍を見せ、佐藤琢磨が2度入賞。合計4ポイントを獲得している。

 その後のコンコルド協定の改定によってカスタマーシャシーの使用に猶予が生まれたため、スーパーアグリの2008年マシンSA08は、ホンダの2007年マシンRA107がベースになった。ノーズやサイドポンツーンの形状などが酷似したマシンとなっている。

 ただスーパーアグリは、シーズン途中にスポンサーが資金拠出を断念したことで、参戦継続が不可能に。第4戦スペインGPが最後の参戦となってしまった。

■同じマシン…ってコト!? シャドウ・DN9/アロウズ・FA1

Hans-Joachim Stuck, Shadow DN9 Ford
Riccardo Patrese, Arrows FA1 Ford

 少し時代は下って1978年。この年のクリソツなF1マシンはシャドウ・DN9とアロウズ・FA1の2台だ。

 写真を見て分かるように、それはそれは酷似したデザインなのだ。この2台がこれほど似ているワケには、設計が流用されているからという身も蓋もない理由がある。

 そもそもアロウズは、シャドウに在籍していたチームスタッフが独立する形で設立されたチーム。その中には、シャドウでDN9を設計していたトニー・サウスゲートも存在した。

 つまり、サウスゲートはDN9を流用する形で、アロウズ・FA1を製作したのだ。似ていて当然と言えるだろう。

 そして当然のごとく、FA1の存在は問題となった。シャドウ側がアロウズ・FA1はコピーマシンだとして訴訟沙汰となり、アロウズが敗訴。FA1を使用し続けることはできなくなり、アロウズ・A1をシーズン終盤に投入することとなった。

■やだなぁ違うマシンですよ…上層部は一緒ですけど ベネトンB195/リジェJS41

Michael Schumacher, Benetton B195 Renault.
Aguri Suzuki, Ligier JS41 Mugen-Honda.

 最後に紹介するのは1995年にコンストラクターズ/ドライバーズタイトルを獲得したベネトン・B195と、リジェ・JS41だ。

 このマシンが酷似するきっかけとなったのは、1994年のフラビオ・ブリアトーレによるリジェの買収だ。ベネトンのトップを務めていたブリアトーレは、この買収によって当時最強とも言われたルノー製V10エンジンの使用権をリジェから獲得することを狙っていたのだ。

 その後、ブリアトーレはリジェの株式の半数を元ベネトンのトム・ウォーキンショーへと売却。共同オーナーとなっている。

 こうした背景の中開発されたリジェ・JS41は、ベネトンにルノー製エンジンを譲った結果として、無限ホンダ製V10エンジンが搭載された。この2台は非常に外見が似通っていたことから、規定違反が疑われた。

 ただチーム側は同じマシンではないと否定し、FIAもこの2台に関して合法だと認めたため、お咎めなしとなった。なおそんな酷似したマシンの片割れであるB195でミハエル・シューマッハーがチャンピオンに輝く中、JS41はマーティン・ブランドルとオリビエ・パニスが1度ずつ表彰台を獲得という結果にとどまっている。なおJS41は鈴木亜久里もドライブ。第9戦ドイツGPで6位入賞を果たしている。

 
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