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フェラーリと契約延長、シャルル・ルクレールは“無冠の帝王”になってしまうのか? 通算ポールポジション回数はチャンピオン未経験者の中で最多

シャルル・ルクレールはフェラーリと複数年契約を新たに結び、長期的な将来を約束した。未来のF1チャンピオン候補と呼ばれて久しいが、ルクレールはフェラーリでタイトルを獲得することができるのか?

Charles Leclerc, Scuderia Ferrari, 2nd position, in Parc Ferme

 フェラーリは、シャルル・ルクレールと複数年契約を結んだことを発表。契約年数は明らかになっていないが、複数年契約であることを鑑みるに、ルクレールは少なくとも2026年まで跳ね馬の一員としてF1を戦うことになるだろう。

 2018年にアルファロメオ・ザウバーからF1デビューを果たしたルクレールは、翌2019年にフェラーリへと移籍。フェラーリ・ドライバー・アカデミーからスクーデリア・フェラーリに昇格を果たしたドライバーは、現時点でルクレールただひとりだ。しかも移籍初年度からチームメイトのセバスチャン・ベッテルを上回るパフォーマンスを見せ、2勝7ポールポジションを記録。フェラーリの新エースとしての立場を早々に固めた。

 しかしながら、2020年からの2シーズンはマシンの戦闘力不足に足を引っ張られて苦しいシーズンとなる。しかも2021年は2度のポールポジションを獲得したものの、最終的なランキングでは新加入のカルロス・サインツJr.に上回られてしまった。

 チャンスが訪れたのは2022年。レギュレーションが大きく変わり、サイドポンツーンを中心に各チームのマシンデザインのソリューションが大きく分かれたこのシーズンにおいて、フェラーリF1-75は開幕当初から最速との評価を得た。

 開幕戦バーレーンGPはポールトゥウイン、続くサウジアラビアGPは2位、そして続くオーストラリアGPでもポールトゥウイン……まさにチャンピオンの最有力候補と思われたが、その後は予選でポールを獲得するも、決勝ではチームの戦略ミスやマシントラブル、さらには自身のミスなどが重なり勝利を逃すレースが続いた。最終的に9回ものPPを記録したルクレールだったが、シーズン3勝にとどまりランキング2位。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のシーズン15勝という独走劇を食い止められなかった。

 2023年シーズンはレッドブルが22戦21勝とまさに敵なしの状態に。ルクレールは特に終盤戦にパフォーマンスを上げ、ポールポジション5回、2位3回を記録したが、レッドブル以外で唯一となる優勝はチームメイトのサインツJr.に奪われてしまった。

Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 次にレギュレーションの大規模な変更が予定されているのは2026年。それまではレッドブルがそのまま強さを維持するのではないかという見方が有力だ。まだ26歳と若いルクレールだが、この状況が続けば、かつてのスターリング・モスやナイジェル・マンセルのような“無冠の帝王”的ポジションに落ち着いてしまう可能性もある(もっとも、マンセルは1992年にチャンピオンを獲得したが)。

 既にルクレールの戦績は、歴代の“無冠”のドライバーの中ではトップクラスとなっている。ルクレールがフェラーリ時代の5シーズンで積み上げたポールポジションは23回。これはF1歴代14位という好記録であり、チャンピオンを獲得したことのないドライバーの中では最多だ。

 ちなみに、無冠のドライバーでPP回数がルクレールに次いで多いのは、こちらも現役ドライバーのバルテリ・ボッタス(ステーク)で20回(歴代16位)。彼はメルセデスの黄金時代にルイス・ハミルトンのナンバー2として多くのポールを積み上げたのだ。以下、1980年代に予選番長として活躍したルネ・アルヌーが18回(歴代18位)、モスとフェリペ・マッサが16回(歴代22位)と続く。

 また、ルクレールは23回もポールポジションを獲得しながら、優勝回数はわずか5回にとどまっているという点も非常に稀有である。これはポールポジションを10回以上記録しているドライバーの中では最も少ない優勝回数であり、いかにルクレールと近年のフェラーリが速さを結果に繋げられていないかを示すデータだ。

 ただルクレールは、フェラーリが自分にとって「第二の家族」のような存在であり、「僕の夢はフェラーリでワールドチャンピオンを獲得すること」だとコメントしている。“無冠の帝王”と呼ばれることを阻止するためには、まずはあらゆるコンポーネントが刷新されるフェラーリの2024年マシンがレッドブルに匹敵するパフォーマンスを見せることに加え、チームの戦略面やマシンの信頼性、ドライバーの安定感といった全てのパッケージが揃う必要があるだろう。

 

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