WRC王者カッレ・ロバンペラ、スーパーフォーミュラ参戦休止へ。豊田章男会長が直々にコメント「身体が追いつかない状況が続いていたのも事実」
カッレ・ロバンペラは、2026年のスーパーフォーミュラ参戦を休止することになった。
Kalle Rovanpera, KCMG
写真:: Masahide Kamio
GAZOO Racingは、今季スーパーフォーミュラに参戦予定だったカッレ・ロバンペラについて、同シリーズの参戦を休止すると発表した。
ロバンペラは、20代前半にしてWRC(世界ラリー選手権)で2度の王者に輝いた天才的ラリードライバー。そんなロバンペラは新たなチャレンジとして、WRCで所属していたトヨタのサポートの下でサーキットレースに本格転向することを決断した。2025年シーズンをもってラリーから引退し、2026年はスーパーフォーミュラ、2027年はFIA F2と段階を踏み、サーキットレース最高峰の舞台を目指す算段であった。
しかしロバンペラのフォーミュラ挑戦は厳しいものとなっていた。昨年12月の鈴鹿テストが彼にとって初のスーパーフォーミュラでの走行機会となったが、初日午前のセッションを終えた段階でめまいの症状を訴えてドクターストップ。残る2日半を走ることができなかった。
その後はニュージーランドのフォーミュラ・リージョナル・オセアニア・トロフィーでシングルシーターでのレース経験を積んだ後、2月の鈴鹿テストで再びKCMGのスーパーフォーミュラ車両に乗り込んだ。タイムは最下位に終わり、高速コーナーへの適応に依然として課題があると語っていたが、開幕戦が行なわれるモビリティリゾートもてぎは中低速コーナーが多く、ロバンペラもより馴染みやすいのではないかと言われていた。
しかし、もてぎでロバンペラの走りを見ることは叶わなくなった。GAZOO Racingは4月4日、5日の開幕ラウンドを控えた3月21日に“モリゾウ”ことトヨタ自動車の豊田章男会長直々のコメントを発表。ロバンペラのスーパーフォーミュラ参戦を休止する決断をしたことが明かされた。
以下はその声明文だ。
「今回、カッレ・ロバンペラのレース欠場についてご報告いたします」
「本人の強い希望もあり、フォーミュラカーへのチャレンジを続けてまいりました。実際に走り出せば、そのスピードには確かなものがあり、乗るたびにタイムを縮めていく姿を、私は見てきました」
「一方で、その速さに身体が追いつかない状況が続いていたのも事実です。今回、医療機関の診断を受け、これ以上の参戦はカッレ本人にとって良い選択ではないと判断しました」
「モリゾウとして悩みましたが、『走らせる責任』と『守る責任』の両方を考えたとき、今年のスーパーフォーミュラの参戦を休止させる決断をいたしました」
「関係者の皆さま、そして応援してくださっている皆さまには、ご期待に沿えない結果となり、大変申し訳なく思っております」
「ただ、彼の挑戦がここで終わるわけではありません。クルマを愛し、速くなりたいという気持ちは、これからも変わらないはずです」
「モリゾウはこれからも、一人のドライバーとして、そして一人の仲間として、彼に寄り添い、支え続けていきます」
「引き続き、温かい応援をよろしくお願いいたします」
このように、フィジカル的な負担が大きかったことを明かした豊田会長。実際、昨年12月のテストでロバンペラがめまいの症状に見舞われた時も、ピットレベルではロバンペラがチームに身体の痛みも訴えているという情報が駆け巡っていた。ラリーからの転向初年度で、F1の次に速いと言われるスーパーフォーミュラに乗り込むことのハードルの高さは想像に難くない。
なお、KCMGは現状ロバンペラの後任となるドライバーをアナウンスしていないが、同チームは今季リザーブドライバーとして野中誠太を据えている。
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