22回目のインディ500出走へ。48歳トニー・カナーンが考える“引き際”「優勝できたら引退……いや、また走りたいと思うかもね」
トニー・カナーンは2023年の第107回インディ500に出走する予定だが、これが自身にとって最後の挑戦になるかどうかは分からないとしている。
2023年のインディ500に、アロー・マクラーレンの4台目のドライバーとして参戦するトニー・カナーン。48歳の大ベテランにとっては通算22回目のインディ500出走ということになる。
2013年のインディ500ウイナーであるカナーンは、過去トップ5フィニッシュを9回記録するなどインディアナポリスとの相性も良く、昨年もチップ・ガナッシからインディ500のみに出走して3位を記録している。ただ2024年大会にはNASCAR王者のカイル・ラーソンがアロー・マクラーレンから参戦予定となっているため、カナーンが今後もインディ500参戦を続けられるかは不透明な状況だ。
今年のインディ500を、他チームにアピールするオーディションの場と捉えているのか、それともアロー・マクラーレンに5台目のマシンを用意したいと思わせるような、説得力のある走りをすることを目指しているのか……そう尋ねられたカナーンは次のように返答した。
「その答えについて正直なところを言うと……僕の方で決断を下すことになると思う。全てが僕次第というわけではないけど」
「まあ、『これでおしまい』と自分で言ってしまえばそれまでなので、そういう意味では僕次第だ。ただ、決断を下すのは日曜日にスタート/フィニッシュラインを越えてからだと思う」
「例えば優勝……僕が勝つとしたらだ! その時は昨年のように『また戻ってくるよ!』と言うだろう。でも今は今年の500に集中している。2年前にはジミー(ジョンソン)のマシンを走らせるという素晴らしいチャンスも巡ってきた。基本的には成り行き任せだ」
またカナーンは、ただ参加することだけを目的にインディ500に出ることはないだろうと付け加えた。
「500で勝てるチームは多く揃っていると思うし、特定のチームに失礼な言い方はしたくないんだけど……僕は自分にとって適切なチャンスだと思わなければ走らないだろう。ただ参加するためだけに500に出たくはないんだ」
「つまり、勝つことが全てなんだ。本来は、クルマを1台増やして僕が走るよりも、代わりに若手が入ってきてインディ500に初参戦する方が見たい」
そう語るカナーンだが、彼自身インディ500で走ることに病み付きになってしまっているようだ。
「僕くらいの歳になると大体同じようなことを聞かれる。『そろそろ潮時だと思う……?』とね。そんな質問ばかりだ」
「僕だって『そろそろ潮時なのか? まだやれるのか?』と自問自答しないとは言い切れない。そんな中で自分自身を安心させる唯一の方法は、昨年のような結果を残すことだ。ああなると『おいおい、待ってくれ。まだやれるぞ』と思う。これは自分の決断に大きな影響を与える」
「500は何が起こるか分からない。自分の中で速さがあると感じる限り、勝てる可能性を感じられる限り、挑戦し続けるだろう」
インディ500は年に1度きりのレース。インディ500のみに参戦するカナーンにとっては、もし今年のレースで結果が残せなければ、挽回できるのはまた1年後ということになってしまう。この状況をプレッシャーに感じているかと問うと、彼は「そうでもないね」と返し、こう続けた。
「もちろん、僕はこのレースしか出ないから、そこで上手くいかなければ終わりというのは非常に残念だ」
「でもやっぱり僕は、優勝することだけしか考えていない。クルマも良いし、昨年はあと一歩のところまでいったチームだ。自分の実力も分かっている。もし上手くいかなかったら、なぜそうなったのかを振り返らないといけない」
「ここまで来たら、僕が何をしようと自分のインディカーキャリアには大差は生まれない。僕はフルシーズンを走ることはもうないだろうから、2回目の(インディ500)優勝を達成して、『これで終わりだ!』と言ってマイクを置くだけ。それか優勝したら『また走りたい!』と言うかもね」
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