勝つために、ステイアウト組を“抜かなかった”サッシャ。近藤監督は山下に『次はお前だ』【SF第5戦SUGO:決勝会見】
スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第5戦の決勝レース。会見で語られたトップ3ドライバーと優勝監督のコメントを紹介。
写真:: Masahide Kamio
スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第5戦の決勝では、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が初優勝を飾った。以下は決勝後の記者会見での、トップ3ドライバーと優勝監督のコメントだ。
近藤真彦監督(KONDO RACING)
「シーズンオフのテストから良くなっている実感があり、いつでもこういうチャンスが来るという感じがありましたが、ここまで何かひとつ足りず、優勝を逃していました。(優勝まで)やはり長かったという印象ですが、シーズンという単位で見れば比較的早くその時が来てくれたと思います」
「今回は宮田(莉朋/Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)選手との戦いでしたが、このまま逃げ切れるだろうと思いました。とにかく、今回のサッシャはスタートに尽きますね。今季のチームの課題はスタートでしたが、サッシャはうまく決めてくれました。ただ(山下)健太は“普通のスタート”ですね。普通のスタートだと、“良いスタート”の人に抜かれてしまいます。だから今回も、良いスタートのドライバーに突かれるような形になりました。とはいえ、健太はいつ勝ってもおかしくないドライバーなので、次は彼に一番前でゴールしてもらいたいです」
「(ーー泣きそうになるところはあったか?)ありましたが、堪えました(笑)。ウルっときましたが、ポロっとはきていません。あと、パルクフェルメに健太が来てくれたことはありがたかったですね。仲良く手をつなぐ、みたいなチームではありませんが、そういうところはチームワークがしっかりしていますね。彼には『次はお前だから』と声をかけておきました」
「サッシャはF3から上がってきた当初は接触が多く、『予定とは違うな』と思う部分もありました。データなどを見ても速さがあるのは間違いありませんでしたがね。そして次の年はコロナで入国できなくなって……。そういう2年間があるからこそ、サッシャには『3年目にぜひお返ししてくれ』と言っていましたが、期待に応えてくれました」
優勝:サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
「今日の結果はとてもうれしい。スーパーフォーミュラ3年目になるけど、昨年は数戦しかしていないし、2020年は色々あってほぼ全戦リタイアに終わっていた。ここ(会見場)に来られてとてもうれしい。昨年はKONDO RACINGにとって非常に難しい年だったけど、今はトップに返り咲くことができた。今日は残念ながら健太が接触してしまったけど、全体的にチームはとても強かった。今日はタイヤマネジメントが重要だったので、10周目にピットインしてからはデグラデーションがあまり進まないようにタイヤをマネジメントして、良い仕事ができたと思う。残りのシーズンもこの調子を続けていければいいね」
「2回目のセーフティカーのリスタート後は三宅(淳詞/TEAM GOH)と小林(可夢偉/KCMG)に対してギャップを空けて注意していた。何が起こるか分からないからね……。もちろんタイヤの状況は良かったけど、SUGOでオーバーテイクするのは簡単ではないので、そのまま後ろについていった。正直、ふたりにはもっと早くピットインして欲しかったけど、ひたすら我慢強く走るしかなかった。ただフィーリングも良くてグリップも残っていて、良い仕事ができた」
「三宅の後ろであまりプッシュせずにタイヤを温存していたけど、トップのクルマ(宮田)がオーバーカットするんじゃないかと思ってビクビクしていた。でも自分のレースをしたかったので、チームには無線で話しかけないで欲しいと頼んだ。最後の10〜15周はトップのクルマがいつピットインしてどこで出てくるか分からなかったので少し心配だったけど、その後(宮田のピットアウト後)は特に何も起きなかった」
2位:大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
「久しぶりに上位を争えて良かったと思います。チームもすごく頑張ってくれました。ピット作業も完璧にしてくれたからこその、この結果だと思います。かなり苦しんだ前半でしたが、チーム全体として徐々に良くなっていって、士気も上がると思うので、この結果を残せて良かったです」
「(ーースタートでのジャンプアップについて)これまでもスタートにはこだわって研究して来ました。それが実を結んだと思います。今までピット作業はチームにとっての課題だったので、そこを全員で考えながら取り組んだことが実を結んで良かったです」
「(ーー野尻の猛攻をレイトブレーキで抑えたシーンについて)ロックアップも最小限に抑えられたので、タイヤに関しては問題ありませんでした。あそこでいかれてしまっては、その先もズルズル後退してしまうと感じていましたし、僕自身引くという選択肢はありませんでした」
3位:野尻智紀(TEAM MUGEN)
「またしても……という感じがすごいですが、チャンピオンシップを考えると3位は良い結果です。勝てなかったことは非常に悔しいですが、折り返しの段階でランキングトップにいるのも良い結果だと思います。また休息を取りながら自分自身を復活させたいです。最近はポールから勝てないレースが続いていますが、挑戦を続けて、このジンクスを打ち破った時に何か感じてもらえるものがあるのかなと思います。とりあえず休みます!」
「(ーースタートでフェネストラズに先行を許したことについて)クラッチのバイトポイントの合わせこみが少し甘かったのか、初動で適切なクラッチミートができず、半クラ気味になってしまったのかなと思います」
「(ーーピットで大湯に逆転されたことについて)ピット作業はちょっと遅かったのかもしれませんが、もうそうだとしても、いつも助けてもらっているので、あそこから挽回するのが僕の仕事です。それができなかったことは残念です」
「(ーーオーバーテイクは難しかった?)僕もブレーキで抜けるほどの良さはありませんでした。大湯選手も大きなミスをしなかったので。とはいえ、そこをこじ開けないと先はないと思うので、今後の反省点にしたいです」
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