ナカジマレーシング完全復活! 牧野任祐がデビュー戦でポール獲得の快挙達成
2019スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿。公式予選は牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)がポールポジションを獲得した。
牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)
Jun Goto
鈴鹿サーキットで行われている2019スーパーフォーミュラ第1戦。公式予選では牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)がデビュー戦でポールポジションという快挙を成し遂げた。
午前中と同じく晴天に恵まれた鈴鹿サーキットだが、気温20度、路面温度25度の中で予選Q1がスタートした。なお今季からQ1の通過台数が14台から12台に変更されている。
このQ1ではミディアムタイヤしか使用できないことになっているため、ほとんどのマシンは新品のミディアムタイヤでコースイン。タイムアタックに臨むが1コーナーで坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が1コーナーでコースオフ。スポンジバリアにクラッシュしてしまった。
マシンのダメージは少なく坪井に怪我はなかったが、セッションは赤旗中断となった。残り15分16秒でセッションが再開されると、全車が一斉にコースインしたが、今度はアーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)がデグナー2つ目でコースオフしクラッシュ。2度目の赤旗となった。
マルケロフはちょうどタイムアタックに入っていたタイミングだったようで、マシンを降りるとグラベルを蹴るなど悔しさを爆発させている様子だった。
マシンの回収が終わり、残り11分でセッションが再開した。ちょうどQ1の半分を経過しているということもあり、2セット目の新品ミディアムタイヤを履いてコースインのタイミングを見定めるチームが多く、数名が確認作業のためにコースインし1周から2周でピットインし、新品タイヤに履き替えている動きが見られた。
残り7分のタイミングで各車続々とコースインし、タイムアタックに向けてウォームアップを開始したが、ひと足早くタイムアタックを開始していたハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)がスプーン2つ目でスピン。これに後方から迫ってきていた中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が避けきれずに接触。パーツがコース上に飛び散ってしまった。
これにより、残り5分のところで3度目の赤旗中断となり、SF19最初の公式予選は早くも大荒れの展開となってしまった。
2台のマシン回収が終わり、16時29分にセッション再開。残り時間が少ないこともあり、全車が一斉にコースインしタイムアタックを行なった。
いち早くタイムを出したのは、計測1周目でタイムアタックした山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分38秒315をマークしたが、アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)が0.7秒上回る1分37秒615を記録しトップに浮上した。
これに対して計測2周目のアタックを選択した午前中トップの山下健太(KONDO RACING)は1分38秒821とタイムが伸びず。その他もドライバーもトップタイムを更新することはなくチェッカーフラッグが振られ、パロウがトップでQ1を通過。2番手にチームメイトの牧野任祐が入り、TCS NAKAJIMA RACING勢がワンツーでQ2へ進出した。
一方、2度のチャンピオン経験を持つ石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)は14番手となり、Q1敗退。活躍が期待されていたダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)も満足なタイムアタックができず、16番手で早々に姿を消すことになった。
7分間で行われるQ2は、ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)からコースイン。このセッションからソフトタイヤが使用可能となるため、全車が新品ソフトタイヤでピットを後にした。その中でも他車とタイミングをずらしてコースインしたDOCOMO TEAM DANDELION RACING勢は計測1周目でタイムアタックを敢行。山本が1分36秒932を記録するが、福住が0.006秒上回り暫定トップに躍り出た。しかし、このタイムを上回ってきたのが今回もTCS NAKAJIMA RACING勢だった。パロウが1分36秒346を叩き出すと、牧野も1分36秒758を記録し、Q2でもワンツーを独占。3番手には小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)が入った。
一方、昨年ランキング2位だったニック・キャシディ(VATELIN TEAM TOM’S)はタイムが伸びず12番手で敗退。午前中から好調だった国本雄資(KONDO RACING)も9番手となりQ3進出はならなかった。
そしてQ3。ここでもTCS NAKAJIMA RACINGの勢いは止まらなかった。まずは山下が1分36秒730で暫定トップに立ったが、パロウがそれを0.7秒近く更新する1分36秒089をマーク。これに対し山本は1分36秒316、福住が1分36秒388となりトップタイムを塗り替えることはできなかった。
これでパロウのポールポジションが確実かと思われたが、最後にアタックした牧野が1分36秒060を叩き出し、最後の最後で逆転。デビュー戦でポールポジションを獲得した。
チームにとっては2010年第4戦もてぎで小暮卓史がポールポジション以来となる9年ぶり。デビュー戦でポールポジションを獲得するのはフォーミュラ・ニッポン時代を含めて初めての快挙となった。
2番手にはパロウが続き、TCS NAKAJIMA RACINGがフロントロウを独占。3番手に山本が入った。
スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 予選タイム結果
グリッド | ドライバー | チーム | ベストタイム | |
1 | 牧野 任祐 | TCS NAKAJIMA RACING | 1'36.060 | Q3 |
2 | アレックス・パロウ | TCS NAKAJIMA RACING | 1'36.089 | Q3 |
3 | 山本 尚貴 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 1'36.312 | Q3 |
4 | 福住 仁嶺 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING | 1'36.388 | Q3 |
5 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 1'36.436 | Q3 |
6 | 山下 健太 | KONDO RACING | 1'36.730 | Q3 |
7 | 平川 亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | 1'36.824 | Q3 |
8 | 小林 可夢偉 | carrozzeria Team KCMG | 1'36.849 | Q3 |
9 | 国本 雄資 | KONDO RACING | 1'37.232 | Q2 |
10 | 野尻 智紀 | TEAM MUGEN | 1'37.342 | Q2 |
11 | ルーカス・アウアー | B-Max Racing with motopark | 1'.37562 | Q2 |
12 | ニック・キャシディ | VANTELIN TEAM TOM’S | 1'37.930 | Q2 |
13 | 大嶋 和也 | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | 1'38.927 | Q1 |
14 | 石浦 宏明 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 1'39.078 | Q1 |
15 | トリスタン・シャルパンティエ | REAL RACING | 1'39.514 | Q1 |
16 | ダニエル・ティクトゥム | TEAM MUGEN | 1'41.436 | Q1 |
17 | ハリソン・ニューウェイ | B-Max Racing with motopark | 1'48.655 | Q1 |
18 | 坪井 翔 | JMS P.MU/CERUMO・INGING | 2'02.278 | Q1 |
19 | 中嶋 一貴 | VANTELIN TEAM TOM’S | 11'07789 | Q1 |
20 | アーテム・マルケロフ | UOMO SUNOCO TEAM LEMANS | 11'22.469 | Q1 |
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