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トヨタの富士6時間を大きく左右した、ふたつの”エマージェンシーピットストップ”

WEC富士でトヨタのレース展開を大きく左右した、ふたつのピットストップについて小林可夢偉が語った。

#8 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 - Hybrid: Sébastien Buemi, Brendon Hartley, Ry? Hirakawa

#8 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 - Hybrid: Sébastien Buemi, Brendon Hartley, Ry? Hirakawa

写真:: Andreas Beil

 FIA世界耐久選手権(wEC)第7戦富士6時間レースは、誰にとっても展開の読めない、波乱のレースとなった。レース前から苦戦を覚悟していたトヨタの2台も、それに翻弄される形となった。

 スタートからわずか15分ほどで、トヨタ8号車はコカ・コーラ コーナーでアルピーヌ35号車から追突された。これで左リヤタイヤがパンクした8号車は、FCY(フルコースイエロー)中にピットインしたが、なんといってもその後に科された3分間のストップ&ゴーペナルティが痛かった。

 この接触で右フロントの空力パーツが大きく破損し、5秒のペナルティを受けた35号車が最終的に勝利したことからも分かるように、今回の荒れたレース展開ならまだ、8号車にも浮上の可能性はあったかもしれない。しかしペナルティで2周遅れとなり、完全に勝負権を失ってしまったのだ。

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 ペナルティが出されたのは、FCY中の”エマージェンシー・ピットストップ”後、ピットレーンがオープンとなった際にもう一度ピットインしなかったことが原因だ。

「8号車は当てられたことでパンクして、そのパンクのせいでピットに入ったら、エマージェンシーだったからもう一度入らなければいけなかったという……まあレギュレーションはレギュレーションなので。ただ優勝したクルマが当てて勝つという、なんというか非常に納得いかないレースでした」

 トヨタのチーム代表兼7号車のドライバーを務める小林可夢偉はそう語った。

「あれは絶対にタイヤを交換しなくちゃいけないじゃないですか。当てられてパンクして、すでに我々はロスをしているから、あそこでさらにピットに入るっていうのはとてもナンセンスなレギュレーションじゃないかな」

「僕たちは燃料を入れておらず、タイヤを交換しただけなので、あのタイヤの時もそう(エマージェンシーピットストップ扱い)なんだと思っていました。ルールの解釈の仕方がちょっと違ったのかな……お役所っぽいなというところです。まあ、誰得っていうのが本音ですね」

 WECの競技規則12.2.1条には、ピットレーンが閉鎖されている間にピットインが許されるふたつのケースについて、次のように記されている。

『エマージェンシーピットストップ:8秒間の給油および/または損傷したタイヤの交換、および関連する損傷または明らかな安全上のリスクを提示する車体の損傷の修理が許可される。この場合、競技者はピットエントリーが開き次第、再びピットレーンに進入しなければならない』

『車両への介入:エマージェンシーピットストップで定義された以上の作業を必要とする介入を行なわなければならない場合、そのピットストップ後、車両が少なくとも1周を失うという条件の下でのみ、ピットレーンへの進入が許可される』

 レギュレーションを改めて見ると、確かに8号車がペナルティを受けるのは避けられなかっただろう。ただ今回は貰い事故に近いモノあり、8号車と35号車の接触前からFCYが出される準備がされていたことを踏まえても、厳しすぎるペナルティだったと思ってしまうのは仕方ないかもしれない。

 一方で7号車は、ニック・デ・フリーズがドライブ中、FCYが出る直前にピットインできたことで大きく順位を上げ、一時は2番手を走っていた。

 しかしその後、今度はFCY、そしてセーフティカーが7号車に不利に働いた。レース残り2時間30分のところで、アストンマーティン007号車がクラッシュしたのだ。

 ちょうどピットインを控えていたマシンはここでピットに向かったが、7号車は他のマシンより少し燃料に余裕があったことでステイアウトした。

 だがコースサイドに止まった007号車の撤去には時間がかかり、黄旗からFCY、セーフティカー(SC)に切り替えられた。そして7号車はピットレーンがオープンとなる前に燃料が尽きかけ、エマージェンシーピットストップをしなければならなくなった。

「あれはFCYが終わるという風に見たんじゃないかと思います」と小林は振り返り、レースコントロールに疑問を呈した。

「リスクマネジメントでピットに入るっていう判断もあったと思うんですけど、他のマシンよりちょっと燃料が残ってたので、それを最大限に最大限に有効活用したかった。でもそれが完全に裏目に出ました」

「まさかあのFCYがSCになるなんて、『あれが?』という感じだったので、正直なところちょっとランダム感があるなと……」

 性能調整への不満を燻らせながらも母国レースに臨んだトヨタ。7号車が2番手を走行し見せ場を作ったが、どっと疲れる、そんなレースだったのではないだろうか。

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