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”世界”に戻ってきたグッドイヤー、激戦のLMP2の足元支える。新GT3クラスにも興味、今後はWECでさらに存在感?

F1からの撤退を最後に、グローバルなモータースポーツ活動を行なっていなかったグッドイヤー。2019年からWECのLMP2クラスにタイヤ供給を開始したが、その背景や今後の展開について聞いてみた。

#9 Prema Orlen Team Oreca 07 - Gibson LMP2: Robert Kubica, Louis Deletraz, Lorenzo Colombo

写真:: Masahide Kamio

 コロナ禍の影響で開催できていなかった、世界選手権の日本開催が3年ぶりに実現された。WEC(世界耐久選手権)を皮切りに2輪のMotoGPや、F1など、久しぶりに”世界”が日本にやってきている。

 サーキットのパドックも国際色豊かとなり、国内レースと違った雰囲気に。タイヤを積んだカートがちょっと驚くようなスピードで走っているのも、特別に感じてしまう。

 WECのLMP2クラスにタイヤを供給しているグッドイヤーが、富士のパドックに居を構えているのを見たときも、同じような感覚を覚えた。

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 1964年からF1に参戦し、タイヤメーカーとして成功を収めたグッドイヤーだが、1998年にF1を撤退して以降はグローバルなモータースポーツ活動はしてこなかった。アメリカ国内でNASCARにタイヤを供給していたグッドイヤーが、WECに参入したのは2019年。当時はLMP2クラスの数チームへの供給に留まっていたが、2021年からはLMP2クラスの単独サプライヤーとなっている。

 こうした活動の変化には、どんな背景があるのか。グッドイヤーのマイク・マクレガー氏(EMEAレースプログラム・マネージャー)に話を聞いた。

「アメリカ国内でのレースには参加していたが、グッドイヤーのブランドのリーチと、新しいテクノロジーの開発という観点で、どう開発を行なうのかっていうのを考えた時に、耐久レースに復帰することになった」とのこと。

 自動車メーカーは時代に合わせて変化を求められているが、タイヤメーカーもそれは同様。新しい技術開発とサステナビリティの追求。耐久レースはその絶好の舞台であるわけだ。

 グッドイヤーが各チームに供給しているタイヤを見れば、その成果を感じることができる。2019年はドライタイヤで最大3スペック、ウエット用のタイヤで2スペックを用意していたグッドイヤーだが、現在はドライタイヤとウエットタイヤ、それぞれ1スペックの供給となっている。

Goodyear Tyres

Goodyear Tyres

Photo by: JEP / Motorsport Images

「色々やっているが、例えばタイヤのスペックを5個から2個に減らしたことで、世界中のサーキットに持っていくタイヤの量も減った。それに加えて材料の50%以上をサステナブルなモノに変えるということにも取り組んでいて、工場で使う電力をできるだけ再生可能エネルギーに変えることで、CO2の排出量を減らそうとしている」とマクレガーは語った。

「6時間のレースに対してスプリントのようだという言い方は変かもしれないが、確かにその通りで、ル・マン24時間でLMP2クラスを勝ったチームも、常に限界までパフォーマンスを発揮しながらドライブをすることができた。それが10年前や15年前と比べると大きな違いになっている」

「耐久レース用に開発したタイヤというのが、一般に購入できるロードタイヤになっていく。現在欧州で販売されている『EAGLE F1 SUPERSPORT R』というタイヤのコンパウンドも、耐久レースで開発したタイヤがベースとなっている」

 LMP2クラスに限ったことではないが、今のWECは耐久レースとは言うものの、ほぼ毎周限界に近い走りを重ねている。それを1スペックのタイヤでカバーしていると考えると、その凄さが伝わるのではないだろうか。

 そして供給するタイヤのスペックが減れば、無駄なタイヤの輸送や廃棄が減り、サステナビリティの向上にもつながるわけだ。

 今のLMP2クラスは、フル参戦しているチームはいずれもオレカ社製のシャシーを使用。自然淘汰的にワンメイク状態となっている。そんな状態でタイヤを供給する難しさについて訊くと、そんな中で各チームが生み出そうとする違いに対応することだと彼は答えた。

「いろいろなセットアップやドライビングスタイルに対応しなければならないというのが、問題点だ。その最適化をして、パフォーマンスを発揮できるように専門のトラックサポートのチームが対応している」

 そんなグッドイヤーは、今後どうモータースポーツ活動を展開していくのか。例えばF1は今季から18インチのタイヤを導入し、市販タイヤの現状に一歩近づいた形となったが、F1に復帰する未来はあるのだろうか。そんな質問をぶつけてみると、マクレガーは完全には否定をしなかったものの、今後はWECでの活動を拡大していく可能性が高いと示唆した。

「(F1復帰が)ないとは言わないし、いつもレースがどうなっているかを見ていて、興味を持っている。ただグッドイヤーとして今フォーカスしているのが、将来のモビリティという意味で電力であったり水素というところに目を向けている」

「ただF1でも新しいテクノロジーを入れていると思うし、タイヤの戦略が変わってくることもあるので、そういうことがあればグッドイヤーがまた、というのも全く考えられないことではない」

「新しいLMP2車両の導入は2025年からとなるが、まだテクニカルレギュレーションがすべて公開されていないので、明確にタイヤがどうなるかと言うのは難しいが、その点に関してはFIAやACOとパラメーターなどを確認しながら進めていく」

「これまでにやってきたものの上に構築できるような形でやりたい。2024年にWECに新しいGT3のクラスが導入されることに関しては、グッドイヤーとしても関わっていきたいと思っているし、F1やハイパーカーに関しても同様だ」

「GT3に関しては、やろうとしているということになる。入札になるのでそこに参加したいと思っているし、興味を持っている」

 ハイパーカーへのタイヤ供給にも興味はあるかと訊くと、現在タイヤを供給しているミシュランの契約が終了するタイミングで入札に参加する可能性はあるという。

「ハイパーカーに関しては今ミシュランが契約をしていて、詳細は分からないがおそらく2025年頃まで契約をしていると思うので、チャンスがあるとすればそこになる。GT3の方が先に入札になるので、試してみることになる」

「戦略やタイミングが合うかどうかというのもあるが、WECとパートナーシップを結べたのを嬉しく思っているし、WECは色々な層にリーチできて良いと思っているので、タイミングが合えばそのパートナーシップを拡大していきたい」

「もう十分忙しいけど、(全クラスにタイヤを供給することになれば)大変だろうね!」

 来季はフェラーリやポルシェなど、多くのメーカーが参入し、盛り上がりを予感させているWEC。その足元を支えるタイヤメーカー、そしてグッドイヤーの今後にも注目だ。

 
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