F1アブダビFP2:ボッタス首位、フェルスタッペン3番手もトップ3はアタック消化不良? 終盤にトラブル続発
F1最終戦アブダビGPのフリー走行2回目が行なわれ、メルセデスのバルテリ・ボッタスがトップタイムをマークした。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
2020年シーズンのF1最終戦、アブダビGPのフリー走行2回目が行なわれ、メルセデスのバルテリ・ボッタスがセッション首位となった。
F1にタイヤを供給しているピレリは、2020年仕様のC4タイヤ(今回のミディアムタイヤと同じコンパウンド)を1セット持ち込んでおり、このFP2で最低8周このタイヤで走行することが各車に義務付けられている。
現地時間17時、西日が差すヤス・マリーナ・サーキットは気温24度、路面温度はFP1開始時から8度ほど下がり、31度でFP2のセッションがスタートした。
セッション開始と同時にエステバン・オコン(ルノー)やアレクサンダー・アルボン(レッドブル)がコースイン。普段は走り出しが遅いメルセデスの2台も含め、全車が来季用のタイヤを装着してピットを離れ、義務を消化しようと周回を重ねた。FP1で燃料ポンプのトラブルに見舞われたダニエル・リカルド(ルノー)も足並みを揃えて走行を開始した。
FP1でマシンをミック・シューマッハーに譲っていたケビン・マグヌッセン(ハース)を含め、数台がコースオフするようなシーンも見られる中、メルセデスのバルテリ・ボッタス、ルイス・ハミルトンがワンツー体制を築いた。しかしハミルトンは途中ピットに戻り、ステアリングホイールを交換すると、翌周に再びピットイン。ボッタスはスロットルペダルがおかしいと訴え、走行を中断した。
その他のチームは、ピットに戻ることなく連続で走行し、来季タイヤの使用義務を消化したところで続々とピットイン。この時点で、首位は1分37秒818を記録したボッタス、2番手ハミルトンに次ぐ3番手にはピエール・ガスリー(アルファタウリ)がつけた。レッドブルの2台は、ロングランのように10周を消化し、マックス・フェルスタッペンが17番手、アレクサンダー・アルボンが20番手となった。
ハミルトンはミディアムタイヤでコースイン。コースを独占し、1分36秒479をマークした。続いてボッタスもミディアムタイヤで走行再開。コース上を走る台数も徐々に増えていった。
アルボンは2番手にタイムアップするも、最終コーナーでトラックリミット違反があったとしてタイム抹消。その後ボッタスが1分36秒276までトップタイムを更新した。
残り時間55分頃になると、フェルスタッペンもミディアムタイヤでコースイン。セクター1で全体ベストを更新するも、ボッタスからは0.781秒差の3番手に留まった。
ほとんどのマシンがミディアムかハードで走行していた中、ウイリアムズの2台がソフトタイヤで走行開始。メルセデスの2台も、残り時間50分を過ぎたところでソフトタイヤでのアタックに向かった。
ハミルトンは1分36秒097をマークするも、最終コーナーでトラックリミットを超えこのタイムは抹消に。ボッタスはターン1でコースオフし、アタックを中断した。ガスリーもソフトタイヤを履いてアタックに向かったが、ターン1でリヤを滑らせスピンしてしまった。しかしタイヤを換えずアタックを実施。8番手タイムを残した。
残り時間が40分を切ると、コース上のアタック合戦も活発に。フェルスタッペンもアタックに向かうが、セクター3で他のマシンに詰まってしまい、アタックを完了せずにスローダウンした。
結局、メルセデスの2台はソフトタイヤでタイムを更新せずにピットイン。フェルスタッペンは2度目のアタックで自己ベストタイムを更新するも、1度目のアタックよりもセクタータイムは良くなく、タイムアップも0.017秒と小幅。さらにその後、このタイムも後に抹消されてしまった。
結果的にトップ3台がソフトタイヤでのタイムを出せていないまま、セッション残り時間は30分を切り、各車がロングランにプログラムを移行。ハミルトン、ボッタスは使用義務が消化できていない来季タイヤをまず装着した。
この頃にはすっかり陽も落ち、路面温度は28度まで降下。決勝レースに向けてタイヤのデータを集めようと、各車が精力的に周回を重ねていった。しかし、ウイリアムズのジョージ・ラッセルはマシン後部から白煙を吹きながらピットイン。どうやらMGU-Kに問題が起きたようだ。
その直後、アルファロメオのキミ・ライコネンにもトラブル発生。マシン後方から出火し、火柱が上がった。コースサイドにマシンを停めたライコネンも自ら消火器を握り、火を消し止めたが、残り時間17分ほどのところでセッションは赤旗中断となった。
残り時間6分からセッション再開。各車が相次いでコースに向かうが、ハミルトンはギヤが入らないと訴え、ピットレーンで一時マシンを止めた。ただトラブルは一時的なものだったようで、約2分ほど止まったあと、動き出したハミルトンは問題なく走行を再開。彼は翌周ピットに戻り、再度ステアリングホイールを交換した。
トラブルが発生した2台を除く、18台が1周でも多く走行しようと走っている中、セッション終了。各車はグリッド上でスタート練習を行なった。
結局、セッション首位はボッタス。ハミルトン、フェルスタッペンが続いたが、この3台はソフトタイヤでアタックしたものの、ベストタイムはミディアムタイヤで記録したモノだった。さらに、メルセデス勢は赤旗もあってセッション終盤のロングランはほとんどできず。少々不安の残るセッションとなった。
4番手のアルボンまでが、ボッタスから1秒以内。5番手以降の中団勢はタイム差がほとんどない僅差の争い。そんな中、グリッド降格が決まっているセルジオ・ペレス(レーシングポイント)はソフトタイヤを使わず、ミディアムタイヤで7番手に食い込んでいる。
アルファタウリ・ホンダはダニール・クビアトが11番手、ガスリーが13番手だった。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | バルテリ ボッタス | 28 | 1'36.276 | 207.677 | ||
2 | ルイス ハミルトン | 30 | 1'36.479 | 0.203 | 0.203 | 207.240 |
3 | マックス フェルスタッペン | 30 | 1'37.046 | 0.770 | 0.567 | 206.030 |
4 | アレクサンダー アルボン | 33 | 1'37.263 | 0.987 | 0.217 | 205.570 |
5 | ランド ノリス | 29 | 1'37.438 | 1.162 | 0.175 | 205.201 |
6 | エステバン オコン | 30 | 1'37.505 | 1.229 | 0.067 | 205.060 |
7 | セルジオ ペレス | 35 | 1'37.506 | 1.230 | 0.001 | 205.058 |
8 | シャルル ルクレール | 31 | 1'37.508 | 1.232 | 0.002 | 205.053 |
9 | ダニエル リカルド | 29 | 1'37.508 | 1.232 | 0.000 | 205.053 |
10 | ランス ストロール | 29 | 1'37.560 | 1.284 | 0.052 | 204.944 |
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