F1ロシア予選:圧巻ポールのハミルトン、Q2で赤旗危機”一発”。フェルスタッペン意地の2番手
F1第10戦ロシアGPの予選が行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが意地を見せ2番手に入った。

F1第10戦ロシアGPの予選が、ソチ・オートドロームで行なわれた。ポールポジションはメルセデスのルイス・ハミルトンが獲得した。
ソチ・オートドローム周辺には大きな雨雲があるもの、サーキット上空には黒い雲は流れ込んでこず、ドライコンディションで迎えた。気温は26度、路面温度はFP3からわずかに下がって34度という中で予選開始時刻を迎えた。
Q1:フェラーリなんとかQ2進出
18分間のQ1がスタートすると、まずはジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がいの一番にコースイン。意外なことにミディアムタイヤでタイム計測に向かった。
次いでメルセデス勢もコースイン。アルファタウリ勢も含め数台がこれに続き、コース上にマシンが増えていった。ただラッセルは結局タイムを出さずにピットイン。無線で「FP3と路面コンディションが全然違う」とチームに報告した。
バルテリ・ボッタス(メルセデス)は1分32秒656でタイムシートのトップに立ったが、ルイス・ハミルトンは1分34秒台のタイム。さらにターン2でトラックリミット違反があり、このタイムが抹消された。
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、最初のアタックで1分34秒616。2番手につけたセルジオ・ペレス(マクラーレン)が1分33秒704を出す中、フェルスタッペンはポジションを12番手まで落とした。
ハミルトンは2度目のアタックでボッタスと0.327秒差の2番手に浮上。フェルスタッペンも1分33秒979で5番手までポジションを上げた。
各車が最初のタイヤでのアタックを終え、ミディアムタイヤでアタックしたエステバン・オコン(ルノー)が16番手とQ1敗退圏内。アルファロメオの2台がそれに続いた。ロマン・グロージャン(ハース)、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)もアタックを決められず、苦しい状況だ。
残り時間4分を切ると、各車が2度目のアタックへ。ハミルトンやペレス、4番手のカルロス・サインツJr.(マクラーレン)や6番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)がピットで待機した一方、ボッタスも中古のソフトタイヤで再度コースインした。フェルスタッペンはミディアムタイヤでガレージを出た。
ソフトタイヤに履き替えたルノーのオコンが3番手、ダニエル・リカルドが4番手にポジションアップ。さらにはロシアGPが母国レースのダニール・クビアト(アルファタウリ)がそれを上回り、3番手に食い込んだ。ミディアムでタイムアップしたフェルスタッペンは5番手となった。
ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が13番手に飛び込むなど各車がタイムアップした結果、ガレージに留まったルクレールのポジションは少しずつ落ちていく。しかしなんとか14番手でセッション終了。15番手となったセバスチャン・ベッテルと共に、フェラーリはなんとか2台揃ってQ2に進んだ格好だ。
結果としてグロージャン、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ラティフィ、キミ・ライコネン(アルファロメオ)がQ1で予選を終えた。ライコネンはターン2でスピンを喫し、最後のアタックは不発に終わった。
Q2:ハミルトン赤旗で大ピンチも、なんとかQ3進出。クビアトがQ2敗退
15分間のQ2は、ベッテルが先頭でコースイン。メルセデスの2台とフェルスタッペンがミディアムタイヤでアタックへ向かった。
タイヤを暖めているペレスが雨がポツポツ降り始めていると無線で報告。路面温度も32度まで下がる中で各車がアタックしていく。
一発目のアタックでトップに立ったのは、なんとリカルド。1分32秒218で、2番手のサインツJr.を0.539秒ちぎってみせた。メルセデス勢は、ハミルトンが最終コーナーでコースオフしてしまい、タイム抹消。ボッタスも最終コーナーで挙動を乱したものの、なんとかタイヤを縁石に残し4番手となった。
フェルスタッペンは7番手と、ミディアムタイヤでQ2を突破できるか微妙なポジション。11番手以下は、アレクサンダー・アルボン(レッドブル)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、ベッテル、ハミルトン、ラッセルだ。
残り時間5分ほどから、各車が最後のアタックへ。メルセデスの2台は再度ミディアムタイヤ、フェルスタッペンはソフトタイヤへと履き替え、アタックに向かった。
ボッタスが2番手までタイムアップ。続くハミルトンがセクター3に差し掛かっているタイミングで、まさかの波乱が起こった。ベッテルがターン4で挙動を乱しスピン。フロントからバリアにクラッシュしてしまった。デブリがコース上に散らばったこともあり、セッションは赤旗中断となってしまったのだ。ベッテルのすぐ後ろを走っていたルクレールは、ギリギリのタイミングだったがなんとかベッテルのマシンに突っ込むのを避けることができた。
ハミルトンはあとコーナーふたつ抜ければタイム計測完了というタイミングでセッションが中断され、ノータイムのまま。残り時間は2分15秒で、計測ラップに間に合うかどうかはギリギリだ。
セッション再開時刻が通知される前から、レッドブルの2台を先頭にピットレーン出口に各車が並んだものの、メルセデスはハミルトンを送り出すのが一歩出遅れてしまった。しかもハミルトンは、ミディアムでのアタックを諦め、ソフトタイヤを履いた。
オーバーヒートしてしまったのか、ストロールのマシンがガレージに押し戻される中、セッション再開。ハミルトンがピットレーンを出ることができたのは、残り時間が2分を切ったところだった。
サインツJr.、ペレスはアタックに入れなかったが、ハミルトンはなんとかチェッカー直前にアタックに入ることができた。
先頭でアタックしたフェルスタッペンは、フィニッシュラインを目の前にスローダウン。他車のタイム更新は少ないと判断し、自らもタイム更新をせず……ミディアムタイヤでのQ2突破を選んだ。
トリッキーな状況でタイムアップできるマシンは少なかったが、アルボンが8番手に上がった他、ソフトタイヤでアタックしたハミルトンは4番手までジャンプアップ。ミディアムタイヤでの決勝スタートはできなくなったものの、危機的な状況をなんとか脱し、Q3へ進出した。
一方フェルスタッペンは9番手でQ2通過。ボッタスと同じく決勝をミディアムタイヤでスタートする権利を手にした。Q2敗退となる11番手以下は、ルクレール、クビアト、ストロール、ラッセル、ベッテルだった。
Q3:ハミルトン圧巻アタック。フェルスタッペンも意地の2番手
雨を心配しているのか、12分間のQ3はスタート前からルノーの2台を先頭にピットレーンでコースインを待つ車列が出来上がった。一方、フェルスタッペンはピットに残り、最後にコースインした。
まず中古タイヤを履くオコンが1分33秒227をマーク。それをリカルドが0.753秒上回った。
メルセデス勢はボッタスが1分32秒184でトップに立つが、圧巻の走りでトップタイムを塗り替えたのはハミルトン。Q2の”トラブル”などなかったかのように、ボッタスに0.793秒差をつける1分31秒391を叩き出した。
フェルスタッペンは3番手。リカルドを0.004秒差でなんとか上回ることができた。
残り時間4分ごろ、ボッタスを先頭に各車が最後のアタックへ。ここでもフェルスタッペンは最後にコースインした。
ボッタスはセクター1で自己ベストを更新したものの、セクター2では自己ベストを更新できず。対してハミルトンはセクター1とセクターで全体ベストを更新し、1分31秒304までタイムアップした。
フェルスタッペンは、アタックに入る直前のセクター3でアタック中のボッタスに追い抜かれる形となり、ボッタスのスリップストリームを使いながらタイム計測に入った。ペレスがタイムアップし、3番手に上がったものの、フェルスタッペンはさらに1分31秒867までタイムアップ。3番手はおろか、ボッタスのタイムをも上回り、2番手を獲得した。
4番手以下はペレス、リカルド、サインツJr.、オコン、ノリス、ガスリー、アルボンというトップ10だった。
ポールポジションを獲得したハミルトンだが、前述の通りソフトタイヤを履いてのスタート。2番手フェルスタッペン、3番手ボッタスがミディアムタイヤでのスタートとなるため、戦略が分かれることになった……これがレース展開にどう影響を及ぼすのだろうか?
順位 | ドライバー | タイム | 差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|
1 | |
1'31.304 | 230.579 | |
2 | |
1'31.867 | 0.563 | 229.166 |
3 | |
1'31.956 | 0.652 | 228.944 |
4 | |
1'32.317 | 1.013 | 228.049 |
5 | |
1'32.364 | 1.060 | 227.932 |
6 | |
1'32.550 | 1.246 | 227.474 |
7 | |
1'32.624 | 1.320 | 227.293 |
8 | |
1'32.847 | 1.543 | 226.747 |
9 | |
1'33.000 | 1.696 | 226.374 |
10 | |
1'33.008 | 1.704 | 226.354 |
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