SFチャンプ坪井翔が充実のF1初走行終える。レコードタイムに肉薄し満足感も「このクルマでレースしたいという気持ちが強くなった」
F1初テストを終えた坪井翔は、少なくとも勝手知ったる富士であればF1マシンで十分なパフォーマンスが見せられると示せたことに満足感を覚えており、F1でレースをしたいという気持ちが一層強くなったと語った。
写真:: Motorsport.com / Japan
富士スピードウェイで行なわれたハースF1の旧車テスト(TPC)。そこでF1マシン初ドライブを経験した坪井翔が、走行を終え感想などを語った。
昨年、日本のトップカテゴリーであるスーパーフォーミュラとスーパーGT(GT500クラス)でチャンピオンを獲得する“2冠”を達成し、今季も両カテゴリーでポイントリーダーにつける30歳の坪井。今日本で最も勢いのあるトヨタドライバーが、ついにF1テストの機会を得た。ドライブしたのはトヨタと提携するハースの2023年用マシンで、8月7日(木)に100周以上を走り込んだ。
囲み取材では開口一番「率直に楽しかったですね」と振り返る坪井。ひとりのレーシングドライバーとしてF1を夢見てきた彼は、今回のテストを「夢が叶った最高の1日」と表現した。
平川亮がドライブした6日(水)とは違い、真夏の厳しい暑さも幾分か和らいだ7日は、レーシングカーとしては相対的にタイムの出しやすいコンディションとなったため、坪井には富士スピードウェイのF1コースレコード(1分17秒287)の更新にも期待がかかった。午前中から1分17秒795というタイムを出した坪井は、午後にもアタックを行ない1分17秒470までタイムを縮めたが、0.183秒差で更新はならなかった。
1分17秒470を記録したアタックで坪井は、セクター1とセクター2で自己ベストを更新しながらも、セクター3の13コーナーと最終コーナーでやや修正が入り、セクターベストにわずかに届かなかった。
「実際にどのくらい遅れたかはデータを見ていないのでまだ分かりませんが、乗っている感覚としては、あのふたつのコーナーでコンマ1、2秒……コンマ1秒は確実に(ロスが)あったと思います」と語る坪井は、レコードタイムを上回れなかったことを残念がったが、一方で自身のパフォーマンスを示せたことに一定の満足感を覚えているようだ。
写真: Kan Namekawa
「最後はセットアップチェンジをしてタイムをさらに伸ばそうとしたのですが、セクター2が良くなった分、セクター3が少し辛くなるという“富士あるある”が起きてしまいました」
「ただF1はスイッチで色々といじれるので、その辺りを見越していれば対処ができていたかもしれません。『完璧に決まったな』という1周ではなかったですし、もしかすると17秒2(レコード越え)も見えていたかもしれないのでちょっと残念ですが、今あるベストはしっかり出し尽くせたと思います」
「昨日から今日にかけてコンディションが変わっているので直接比較はできませんが、しっかりタイムを出せたというところでは、自分の実力をしっかり示せたかなと思っています」
「今日F1に乗れたこともすごく楽しかったですが、今後の自分のレース人生において引き出しが増えるような新しい発見がたくさんあったので、実りある1日でした」
テスト前には、今回のF1ドライブを経て新たに見えてくる景色もあるかもしれないとコメントしていた坪井。何か違う世界は見えたかと尋ねられると、こう答えた。
「F1に乗ってみて楽しかったですし、世界一速いクルマに乗れてすごく素敵な1日を過ごせたので、このクルマでレースをしたいという気持ちがより一層強くなりました」
「違うサーキットに行くと話が変わってくると思いますが、少なくとも自分が知っているコースである富士ではF1でしっかり走れるだけの実力があると認識できたので、そういう意味ではF1をより身近に感じることができました」
坪井はさらに、F1は長きにわたって「夢のまた夢」という存在だったが、その認識にも変化があったと明かした。
「夢はF1ドライバーと言ってはいましたが、今までは本当に夢の夢というか、すごく遠い存在でした。正直叶わない夢だと諦めていた部分も何年か前までありました」
「今回ひとつ夢が叶いましたし、この舞台でも戦えるんじゃないかという自信を深めることができました。また今のF1ドライバーに混ざったらどこまで通用するんだろうと確認したくなりました。そういう意味では、F1をより身近な近い存在として感じられるようになった1日でしたね」
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