日本とブラジルでのレース開催が、次のフォーミュラEのターゲット
フォーミュラEの新しいCEOであるジェイミー・レイグルは、日本とブラジルでのレース開催こそが、フォーミュラEが拡大すべき”新しい市場”のひとつであると語った。
11月22日にサウジアラビアで第6シーズンの開幕を迎えるフォーミュラE。今シーズンからはインドネシアのジャカルタや韓国のソウルで新たにレースを開催することになっているが、同シリーズは日本とブラジルでレースを実現することを目指しているという。
フォーミュラEは創立当初からこのふたつの国でのレース開催を目指しており、ブラジルでのレースは2018年の3月にサンパウロで行われることが決定していた。しかし会場の民営化手続きが遅れたため、開催延期に。その後開催は実現していない。
一方で日本でのレースは、まだカレンダー入りしたことすらない。横浜や東京などがフォーミュラEの開催に興味を持っていることは事実だが、日本ではこれまで公道でレースを開催したことがなく、警察による制限も実に厳しい。自由民主党のモータースポーツ振興議員連盟は、公道レースを実現可能にするための法案を準備しているが、まだ国会に提出されるには至っていない。
サッカー・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドや、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のロサンゼルス・ラムズで会長を務めたジェイミー・レイグルは、創設者のアレハンドロ・アガグからフォーミュラEのCEOの座を引き継ぎ、今年の9月に就任した。そのレイグルに、新たなレースを開催する場所として検討している地はあるかと尋ねると、彼はブラジルと日本の2ヵ国の名を真っ先に挙げた。
「2018年の冬、私が現在の職に就く前に、取締役会の様々なメンバーと最初に会話をした。春の早い段階にもね。そしてそれ以降、我々はソウルやジャカルタ、そしてロンドンでのイベントについて働いていることを発表した」
レイグル新CEOはそうmotorsport.comに語った。
「我々はすでに、本当に興味深い市場のいくつかに参入している」
「間違いなく来シーズン開催できるというようなことを、特定の国について話したくはない。しかし、日本は自動車産業における巨大な市場だ。我々にとっての大きな目標は、その市場にどのように参入するのか、それを見極めることにある」
「一方でブラジルも巨大な自動車市場だ。モータースポーツに関する遺産もある。ここもかなり興味深いだろう」
「我々の収益構造からすれば、商業パートナーやOEMは、アメリカに興味を持っている」
「我々はすでにニューヨークでレースを開催している。しかし私はその統計を持っていない。一方でカルフォルニアは、地理的にも消費という面でも、おそらく世界最大の自動車市場であると思う」
「そして中国本土も間違いなくそうだ。それらは非常に大きな市場だ」
しかしレイグルCEOは、フォーミュラEはすでに12都市14レースの開催が決まっており、第7シーズンに希望するすべての開催が実現するわけではないと強調する。
「しかし我々は、収益に関するパートナーの声に耳を傾け、事業開発の新たな構想に取り組んでいる。それらはすべて、我々が考慮すべき部分であり、またこれらの市場はすべて意味のあるモノなのだ」
「どれが最初に実現するか、見てみようじゃないか」
日産のモータースポーツ部門のボスであるマイケル・カルカモは、日産の母国である日本でのレースは「間違いなく夢」であると語った。しかしその一方で、すぐに実現するのは難しいとの見方を示した。
「ラグビーのW杯や2020年の東京オリンピックなど、政府の中では今多くのことをしている。だからそれを実現するためのスペースや時間、リソースを見つけるのは非常に難しい」
そうカルカモは語る。
「特に日産と横浜の自治体関係者との間では、良い議論が行われている。同様に東京やフォーミュラEともね」
「だから、誰もが積極的にプッシュしている。誰もがそれを見たいと思うだろう」
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