待望の母国レース、フォーミュラE東京E-Prixに挑む日産「まずはその迫力、音を好きになってもらいたい」
フォーミュラEの東京E-Prixを前に、日産チームが記者会見を実施。待望のホームレースに向けた意気込みを語った。
いよいよ走行開始前日となったフォーミュラE東京E-Prix。唯一の日系チームとして母国レースを迎える日産が記者会見を実施し、活躍を誓った。
この会見冒頭では、日産が2030年までフォーミュラEに参戦することを発表した。現行車両の”Gen3”だけでなく、まだレギュレーションも見えてきていない次世代車両で争われる未来まで、フォーミュラEにコミットした形だ。
それだけに、日産にとって東京E-Prixはまさに待望の母国レース。日本初の本格公道レースという点でも、非常に特別な一戦となる。
日産のチーム代表を務めるトマソ・ヴォルペは、日本での開催が実現したことについて、誇りに思っていると語った。
「日本に来られて、みんなとても興奮している。我々は現在、フォーミュラEに参加している唯一の日本のカーブランドだ。日本を代表すること、そして東京のストリートサーキットを走るということがこのイベントを本当に特別なものにしている」
「日本がカレンダーにあることは、我々だけでなく、シリーズ全体にとって重要なことだと考えている。すべてのチームが ここで大きな成功を収めることを願っている」
Tommaso Volpe, Managing Director, Team Principal, Nissan Formula E Team, Jeff Tods CEO
写真: Motorsport.com / Japan
東京E-Prixのコースについての第一印象について聞くと、ドライバーのサッシャ・フェネストラズはセクター1が肝になると答えた。
「セクター1はこのコースの一番難しいところだと言える。ターン1やターン8では簡単にタイムを失ってしまうだろう。ターン2でもジャンプしてしまってコントロールを失いやすいところがある。ハイスピードコーナーもあって、ターン9や新たにシケインになったターン16もトリッキーだ」
「でも一番重要になるのはセクター1だね。そこもレースの見どころになると思うし、アタックモードを使いながらのエネルギーセーブ、ターン4でのたくさんのバトルも見どころだと思う」
チームメイトのオリバー・ローランドも、予選でのタイヤのウォームアップを含め難しいチャレンジになるだろうとしながらも、楽しみにしていると笑顔を見せた。
「僕も大体同じ意見だ。80秒間に19のコーナーを通るようになっていて、ドライバーはやることが多いし、テクニカルで流れるような最初の区間で良いリズムを掴んで、壁(との距離感)にも慣れないといけない」
「気温も低くなりそうだから予選でタイヤに熱入れするには難しいだろうね。あとは基本的にサッシャが言ったような、低速と高速がミックスした、バンピーで狭いコースだ。かなりのチャレンジになるだろうから楽しみだ」
日産のチーフパワートレインエンジニアを務める西川直志エンジニアは、どういうところに注目してもらいたいかという質問に、次のように答えた。
「フォーミュラEは限られたエネルギーをどう効率的に使いながら、いかに速く走るかという両立を目指すレースなので、観たことがないお客さんからすると、どこを楽しんだらいいのか分かりづらい部分があると思います」
「そうしたドライバー間の駆け引きを想像しながら観るというのがポイントですが、これは上級者向けだと思います」
「フォーミュラEって音がしないんでしょっていう声が聞かれるんですが、間近で見ると物凄い迫力です。かつ電気自動車でも音がカッコいいと思える世界なので、その迫力をまずは感じていただいて、フォーミュラEの認知度が上がってくれると嬉しいなと思います」
開幕3戦でローランドが2度表彰台を獲得するなど好調の日産。待望のホームレース、東京E-Prixでも迫力溢れるパフォーマンスを期待したい。
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